佳作 海の大事さって?海事産業って?

大阪教育大学附属平野中学校 2年 射水 豪大

 皆さん、私たちと海がどう関わっているのか、そして海の大切さを考えてみたことがありますか?授業で少し習ったりするけれども、あまり普段から考えたことはないと思います。そんな皆さんに、海の大切さ、そしてその海を舞台にして活躍する、「海事産業」というものについて分かって頂こうと思います。
 私たちは、海から様々な恩恵を受けています。ですが、私たちの活動によって今この瞬間にも海洋生物や海に深刻なダメージを与え続けています。そのようなことがこれからも増えていかないようにするためにも、今からまず海の大切さを言っていきたいと思います。
 海は私たち人間が生きるために必要不可欠なものです。まず私たちの身近にある、海の恩恵を受けていることは食べ物(魚貝類)です。皆さんも一度は魚や貝を食べたことがあると思います。それらの魚の中には海にいた魚もたくさんいるでしょう。そして、魚だけではなく、海には漁業や観光業を通して、人類の社会、経済的発展に不可欠な資源を提供しています。また、二〇一八年の時点ではもう三十億人以上の人が、生物多様性を頼りに生計を立てています。「生物多様性」とは、地球全体に、多様な生物が存在している。ということを指します。その生物の中の海洋生物も私たちは食べています。当たり前ですが海洋生物は海に住んでいます。なので海が汚れてしまうと、海に住んでいる生物が生きれなくなり、私たちの生活が苦しくなってしまいます。この事には海洋生物の多様性が大いに関係しています。広い海には私たちの食卓に並んでいる生物のほかにも、様々な生態系が存在しています。なので海洋生物の多様性がなくなってしまうと、こうした生態系を維持できなくなり、人間が海の恩恵を受けることができなくなってしまいます。また、先程も言ったように、二〇一八年には三〇億人もの人が生物多様性を頼りに生計を立てていることからも、どれほど人類と生物多様性は固く結びついているということが分かります。今まで言ってきたように、海はシステムとして地球の命を支えるだけでなく、その場所自体が一つの大きな生命圏となり、多くの命が生活しています。海は、ただの水たまりではなく、地球全体にぐるぐると大循環しています。このような動きのおかげで、気温・気候が調節されたり、生き物が移動したりします。
 そんな、私たち人類にとって必要不可欠である海の上で活躍するものがあります。それは「海事産業」というものです。海事産業?と疑問に思うかもしれません。では、今から海を支える仕事である、「海事産業」について説明していきたいと思います。
 海事産業とは、船の製造・修理を行う造船業や、物資や旅客を運ぶ海運業などを合わせた、海に携わる産業全般のことを指します。海事産業は、私たち国民の生活や産業にとってとても大切な仕事です。海事産業は、仕事内容に比べて知名度が低く興味を持たれない方が多いかと思います。そんな方たちのためにも、まず海事産業の重要性を言っていきたいと思います。
 日本にはあまり資源がありません。そのため貿易によって日本は成り立っています。その、貿易物資の九十九.七パーセントが船舶によって海上輸送されており、私たちの生活を根元から支えてくれています。また国内の商品輸送でも、全体の約四割を内航海運が担っており、鉄鋼や石油製品などの産業基礎物資輸送は船舶による輸送でしかできません。これらのことからも、海事産業の重要さが分かり始めてくるかと思います。さらには、海事産業の一つである、「造船業」は我が国日本だけではなく、日本の造船業による新造船供給量は世界の約三割を占めています。また、日本の最先端の技術によって作られた船舶は、安全性・船の環境において世界中から高い評価を受けています。そして最後に、港湾は海運を支えるとともに、日本の国際競争力や、国全体を支える重要なものです。
 さて、今まで「海の大切さ」「海事産業の重要さ」について書いてきましたが、皆さん読んでいてどうだったでしょうか?私も今回作文を書くにあたって様々なことを知りました。この作文を読んで、少しでも海の大切さ、私たちが海にどれほど助けられているのか、そしてそんな海の上で活躍する、あまり知らなかった「海事産業」というものの重要さ。
これらのことについて少しでも考えて、知っていただけたなら幸いです。ですが、この作文で紹介したことはほんの一部でしかありません。なので、これらのことから、海について海事産業について関心を持ち、さらに詳しく調べてみるのもいいかもしれませんよ?

2020年12月02日