令和7年度 第59回 中学生海の作文コンクールの各受賞作品の掲載をいたしました。
中学生 海の作文コンクール
- テーマ は
『海に関する作文』
海運・造船・港湾といった範囲にとどまらず、広く海にかかわるもの。
2025年「海の日」ポスターコンクール
≪ 大 賞 ≫ 岡山県立岡山工業高等学校2年(応募時) 西山 侑良さんの作品
令和7年度 第59回 中学生 海の作文コンクール 受賞作品 (敬称略)
- 金賞 近畿運輸局長賞 海を知る
- 近畿大学附属和歌山中学校2年 出山 碧海
- 銀賞 近畿海事広報協会会長賞 未来の海のため
- 守山市立守山中学校2年 関岡 よつば
- 銀賞 近畿海事広報協会会長賞 海が教えてくれること
- 守山市立守山中学校 2年 加藤 暖大
- 銅賞 近畿海事広報協会会長賞 新しい世界の見つけ方
- 岩出市立岩出中学校 3年 岩谷 祐
- 銅賞 近畿海事広報協会会長賞 小さな約束
- 大阪市立長吉六反中学校 2年 西岡 杏菜
- 銅賞 近畿海事広報協会会長賞 海から琵琶湖へ
- 守山市立守山中学校 1年 西村 そよか
- 銅賞 近畿海事広報協会会長賞 宮古ブルーの秘密
- 桃山学院中学校 2年 池側 正宗
- 佳作 近畿海事広報協会会長 下記6作品
- 一つ拾えば一つの命を救う 彦根市立西中学校2年 市川 絵梨
- 海を守る 上富田町立上富田中学校2年 三原 陽葵
- 環境への大切さ 上富田町立上富田中学校2年 馳平 羽歩
- 海 守山市立守山中学校2年 中浦 夢花
- 沖縄の海 守山市立守山中学校2年 林 心香
- 海運は身近にある 守山市立守山中学校2年 畑山 隼翔
- 令和7年度 第59回 中学生 海の作文コンクール 受賞作品 選評
- 審査選評
大阪文学学校講師 高田 文月 氏
今年の応募作品数は少なかった昨年よりもまた少し減少しました。従来からお伝えしているように、ネットからの引用をそのまま使ったレポートのような作品は減ってきた印象があります。自分の経験したことから自分で感じ考えたことを元にテーマに迫ろうとしている人が何人もいることがわかりました。以下のように賞を決めましたので、個々にコメントをしていくことにします。
【金賞】出山碧海さん(近畿大学付属和歌山中学校2年)「海を知る」
出山さんは釣りや海での活動が好きなのですが、毎年の水難事故のニュースの多さに、自分なりに、いざというときにライフジャケットの代わりになりそうなものを探そうと決めます。それを自由研究のテーマにして実験をします。すると紀の川で実験しているとき津波警報のアラームが鳴りました。カムチャッカ半島の巨大地震の津波です。そんな一日を経て翌日また実験をするのですが、結果は、ライフジャケットにまさる代用物はない、と身をもってわかるのです。実験では自ら被験者になり恐怖も体感し、前日の津波もふまえ、怖さを知って、海を知るのだと思い至ります。出山さんは昨年も家族と海をたのしむようすを書いて入選していますが、海を身近に体験して実感したことを、言葉にして自分で考えていく道筋をしっかり持つ人です。
【銀賞】関岡よつばさん(守山市立守山中学校2年)「未来の海のため」
関岡よつばさんは絵具をそのまま水道で洗い流してはいけない、ということをあるときスマホ動画で知りショックをうけます。関岡さんは絵を描くのが好きで描き終わった絵具をそれまではそのまま洗い流していたのです。色水は下水処理を通り抜け川や海に流れ出てしまうことを知りました。アクリル絵の具にはプラスチックの膜をつくる成分で細かな粒が残り、水彩絵の具には有害金属が含まれていてそのまま残ることも知ります。絵具の有害性という何気なく行っていたことのうちにある重大さに気づき、色水の処理の仕方を考えます。たかが一人の絵具の処理だと考えず一人一人些細なことから取り組んで暮らしを守ろうと思い至ります。普段のなにげない行いの有害性に気づいて身の回りから視点を大きくひろげていく考え方ができるのがいいですね。
【銀賞】加藤暖大さん(守山市立守山中学校2年)「海が教えてくれること」
加藤暖大さんは小学生の小さいころから釣り好きになって、どんどんいろいろな釣り方や釣る場所を広げて行き、そのうち食べられる魚を釣って自分で捌けるようになりたいと思います。「釣った魚は必ず自分で捌く。そして必ず食べること」とお母さんと約束もして、海と釣りとのかかわりで自分が身に着けていったこと、学んだことを振り返ります。そして海は学校では教えてくれないことを色々と教えてくれる、と思います。そんな海について自分の位置からできることを考え未来にむけて「沢山の魚が泳ぎ回れる海の環境、海の資源を」残していきたいと考えるようになります。やはり自分の好きなことから始めて考えを発展させ筋道をたどっていくことは大切です。
【銅賞】岩谷祐さん(岩出市立岩出中学校3年)「新しい世界の見つけ方」
2年前まだ1年だったときの夏に母に見せられたパンフレットは三重県にある鳥羽高等専門学校を紹介するものでした。まだ中学生になったばかりで高校のことなど考えてなかった岩谷さんは驚いたけれど商船科という特徴的な学科に興味をもって体験学習に参加してみます。もともと海には興味があり、ほんの軽い気持ちで参加したことが、その翌年も続けて参加して、ついに3年の進路を決めるときに役に立ちます。些細なきっかけだったけれど海の仕事にかかわる進路を選んだこと、それが今後もまた機会を広げてくれると思うのです。海と自分の将来への夢が絡まり広がっていくワクワクする気持ちが伝わります。
【銅賞】西岡杏菜さん(大阪市立長吉六反中学校2年)「小さな約束」
釣りが大好きだったおじいちゃんとの思い出を振り返り、一緒に釣りをする約束が果たされず亡くなってしまったおじいちゃんと海への思いをからめて文をつづっていきます。自分は釣りはしなかったけど、ゲームを通して魚の名前を知った事がおじいちゃんとの共通の思いを作って喜んでくれた、そんな思い出を通して、海の問題を自分の身近なものへ引き寄せようとしています。
【銅賞】西村そよかさん(守山市立守山中学校1年)「海から琵琶湖へ」
西村そよかさんは滋賀県の中学生です。自分の住む県に海はありません。そのかわり琵琶湖があり祖父母の家からは琵琶湖が見えるそうです。ワークショップがあって琵琶湖に落ちていたプラスチックで万華鏡を作る経験をします。そこで色々な問題について学び、それは海の問題に通じていることを知ります。琵琶湖の環境を守るための「マザーレイクゴールズ」(MLGs)が海のSDGsと同じ未来を目指していることを知って、琵琶湖を守る日々の行いが海、地球の未来を守ると主張を広げます。
【銅賞】池側正宗さん(桃山学院中学校2年)「宮古ブルーの秘密」
池側正宗さんは海が大好きで沖縄へ毎年のように行くそうです。今年は初めて宮古島を訪れ飛行機からみた宮古ブルーの美しい海に魅了されます。そこで宮古島の海について調べてみることにして、興味深いことを知ります。サンゴ礁が隆起した島には山や大きな川がなく雨が降っても土砂が海に流れこみにくく、海の透明度が高いこと、そして、雨が少なく水不足になる問題を解決するため「地下ダム」という仕組みを作ったことを知ります。海の美しさの秘密を探って調べることで人の知恵と自然が生み出した宝物に気づきます。
(高田文月)
- 事務局からのお願い
-
今回も「海の作文」を応募いただき、ありがとうございました。
日本は四面環海の国で海からの恵みを受け、国民生活と産業活動の基盤は海外貿易と海上輸送に依存しています。このため、海を舞台として活躍する海運・造船・港湾・物流・水産・海洋レクリエーションなどの海事産業をはじめ、広く海に関わる自らの体験等を文章表現することによって海への関心をもってもらいたいと思い、「中学生海の作文コンクール」を開催しているところでございます。
今年の第59回中学生海の作文コンクール審査及び表彰については、募集規定上「大阪文学学校の講師が審査し、優秀作品最大40点を選び、」としていることから、金賞1名、銀賞2名、銅賞4名、佳作6名とさせていただきました。
事務局といたしましても、大阪文学学校講師 高田文月先生の選評にもございますように、最近の応募作品数は減少傾向にございます。ネット社会、タブレット等の利用機会が多くなっている昨今ではございますが、生徒さん皆さんの「書く力」を育んでいくことは、日本の教育文化の振興にも寄与するものと認識しているところでございます。
また、今年はネット等の資料をもとに数字や解説を調べあげて報告するようなレポートの形の作品は減り、自身のことばで表現した作品を何人からも応募いただきました。
来年度も「中学生海の作文コンクール」の開催予定をしております。募集規程には、応募作品は本人が書いた未発表の作品であり、ネット検索・資料等を引用の際は必ずその旨を明記の上【著作権】に注意し、応募者個人のオリジナル作品となるよう記載予定でございます。
ご応募いただくみなさまには、調べることにとどまらず、私たちのくらしと海事産業等とのかかわりに関心を持って、応募者本人のことばで表現した個性あるオリジナル作品をお待ちしております。
是非とも多くのご応募くださるようよろしくお願い申し上げます。
(公社)近畿海事広報協会 事務局
作品募集 チラシ(PDF)
海での仕事や海について考えたこと・海での体験 海・船・港・川・湖 など 広く「海」にかかわるもの
大阪・京都・奈良・滋賀・和歌山の中学生対象(2025.4.1現在)
- テーマ
海に関する作文(海運・造船・港湾・物流・水産・海洋レクリエーションなどの海事産業をはじめ、
海の万博、広く海に関わる未来像や自らの体験等をテーマとしたもの)
応募資格
大阪・京都・奈良・滋賀・和歌山の各府県に所在する中学校の生徒(2025年4月1日現在)
原稿の長さ
400字づめ原稿用紙5枚以内
必要記載事項
原稿には、題名(必ず各自でつけてください)、学校名、学年、氏名、ふりがなの記載をお願いします。
応募締切日2025年9月30日(火) 必着
今年度の募集は終了いたしました。
たくさんのご応募、ありがとうございました。
※学校の先生へのお願い
学校でとりまとめてご応募いただく場合は、
学校名、題名、学年、氏名、ふりがな
を記した一覧表(任意形式)をお付けください。
一覧表のみメールでも可能です。
kaiji-kk@mocha.ocn.ne.jp まで
応募先
〒552-0021 大阪市港区築港3丁目7-15 港振興ビル204
公益社団法人 近畿海事広報協会「海の作文コンクール」係
TEL 06-6573-6387
受賞発表
2025年12月初旬予定
受賞者は所属中学校に通知後、当協会ホームページ、Facebookでも発表
受賞作のうち上位10点を機関紙「近畿海事広報協会たより」に掲載します。
応募上のご注意
※個人情報は、中学生海の作文コンクール事業にのみ利用します。
※受賞者の情報や表彰式で撮影した写真等は、当該事業に関係するメディア、印刷物、広報物に使用します。
※応募作品の所有権並びに著作権は主催者側に帰属いたします。
※応募作品の返却は致しておりませんのでご了承下さい。
※応募前に原稿のコピーを取っておく等の対応をお願い致します。
※応募は1人1篇、他のコンクール等に入賞した作品は応募できません。
※ネット検索、資料等を引用の際は必ずその旨を明記の上【著作権】に注意し、応募者個人のオリジナル作品となるようにしてください。
- 主催
- 公益社団法人 近畿海事広報協会
- 後援
- 国土交通省近畿運輸局
大阪府教育委員会
大阪市教育委員会
(株)日本海事新聞社
- 審査員
- 大阪文学学校講師:高田 文月 氏
中学生 海の作文コンクール 賞
金 賞:近畿運輸局長賞1名
銀 賞:近畿海事広報協会会長賞3名
銅 賞:近畿海事広報協会会長賞6名
佳 作:近畿海事広報協会会長賞30名(予定)
合計40賞(最大)

