佳作 ひとつの船にこめられている思い

大阪教育大学附属平野中学校 2年 北野 善聖

 ばくは、今回海の作文コンクールということで造船について色々書きたいなと思ったのでなぜ書きたくなったのか、造船についてなど書こうと思う。
 まず最初に、なぜぼくが造船について書こうと思ったかについて書こうと思う。ぼくの父は、中小企業を経営していてそのつとめている企業が、造船の仕事をしているところで、ぼくもその会社に何回か行ったことがあるのですが、作っている物などに興味をもち今回海の作文コンクールということでこのことを書きたいなと思ったからだ。
 しかしぼくは、興味を持っているが造船についてあまり分かっていないし、具体的にどんなものを作っているかなども分からないので、そもそも造船ってなんだろうというところから調べてみた。
 造船というのは、字の通り船を作ることである。どこまでが船を作ることになるのかというのは、まずどのような船を作るのか決める段階から含めて造船とされているそうだ。そこには新たな技術開発も含まれることがあるそうだ。
 日本に近代的な造船所がつくられたのは、江戸時代の末(黒船で有名なペリー来航の時期)のことだ。やがて時代は明治へと移り、当時世界一の造船国であったイギリスから技術を学び、本格的な造船業がスタートした。
 明治、大正、そして昭和と造船の技術を磨き、着実に発展をとげてきた日本の造船業でしたが、第二次世界大戦により壊滅的な打撃を受けた。戦後の混乱を経て、廃墟の中から立ち直った造船業は、これまで培ってきた技術と豊富で優秀な労働力に支えられ、海運業とともに日本の経済的復興を支えた。昭和31年には、進水量において英国を抜いて世界一の造船国となった。その後、二度にわたるオイルショックによって深刻な不況を経験したが、それでも日本の造船業は世界一を守り続けてきた。高い技術力を持つ日本の造船業は、前には世界シェアの35%を誇り、韓国とともに世界で一位・二位を争う造船国として、世界の造船業をリードしつづけている(2004年)
 次に、造船所について調べて書いていきたいと思う。
 造船所とは、船をつくる工場のことだ。普通の工場と違うところは、船というケタ違いに巨大なものをつくるため、広大な敷地をもっているというところだ。日本最大級の造船所を例にあげると、敷地面積は約162万平方メートルで、東京ドームの35個分に相当する。建物の面積は約42万平方メートルあり、この広大な敷地のなかに、船の建造に必要な設備が配置されている。
 次に造船所の一般的な仕事について書いていきたいと思う。
 船を造るという仕事は、コンピューターによって情報化されたデジタルなIT技術と、アナログな人の手による匠の技とのコラボレーションにより成り立っている。長さが東京タワー以上である船を建造するのは、巨大なプロジェクトだ。この巨大プロジェクトを完成させるためには、造船所の各部門で働く一人ひとりが、計画どおりに自分の役割を果たしていくことが大切だ。さらに一人ひとりが、全体のことを考えて、協力しながらバランスよく、プロジェクトを進めていくチームワークが重要だと思った。
 だいぶ色々調べて分かったので次は、ぼくの父の仕事についてや今まで書いてきた時のぼくの思いや考えについて、書いていきたいと思う。
 ぼくの父はさっきも書いたとおり、造船の仕事をやっており船の小さな部品の一部を作っていたりしている。ぼくが思うのは、小さな部品を作るのが一番大変なのではないかなと思う。なぜかというと、もちろん組み立てたりする作業や大きい部品をつくるのが簡単だと言う気はないけれど、小さい部品を作るのにはよりせんさいな技術やプログラミングが必要だと思うからだ。
 しかし、ぼくがいいたいことはこんなことではない。ぼくが一番言いたいのは、みんなの協力があってこそひとつの船ができるということだ。みんなが乗っているあの船を作るのにどんなに時間がかかっているだろう!ぼくは、あんなに大きな船を小さな人間が協力して作っていることを、本当にすごいなと思った。ひとつの船ができることは、一人の子供が生まれるような、それぐらいうれしいことではないだろうかとぼくは思う。

2020年12月02日