佳作 海のキャンプ

京都市立桃山中学校 2年 横田 杏虹

 みなさんが一年で一番楽しみにしているイベントは何ですか。クリスマスやお正月、お花見やお祭り、家族旅行やお誕生日でしょうか。春夏秋冬どの季節にも沢山ありますよね。
 私が一番楽しみにしているイベントは、夏の「海のキャンプ」です。
 毎年、お盆の期間地域の方々が子供達を三泊四日の若狭湾でのキャンプに連れて行って下さいます。参加資格は小学四年生から中学三年生までの学区内の児童です。
 私は四年生の時に学校で配布されたプリントでこのイベントを知り、すぐに行きたいと思いました。近所の仲の良い友達を数人誘ってみましたが、残念ながら参加を希望する友達はいませんでした。理由は、「家族と離れた場所であまりよく知らない人達と何日も過ごすことが不安」という事でした。確かにその不安は私にもありました。ですが私の場合、不安よりも期待の方が大きかったです。そして、その期間は私を全く裏切りませんでした。
 宿泊先に到着すると、一番に目に飛び込んで来るのは大きな海です。宿泊施設には広いプライベートビーチがあり、私達はそこで四日間ひたすら遊び倒すのです。
 海での遊びは楽しいことばかりです。イカダ作りやシーカヤック、素もぐりや飛び込み、砂浜では砂遊びなどが楽しめます。
 シーカヤックはカヤックに乗って楽しみます。でもイカダは作る所から始まります。イカダ作りで難しいのは、重い丸太同士をロープできつくしばることです。ロープがゆるいと、乗っている間に丸太がバラバラになり、イカダが崩壊してしまいます。そうなると、ただの丸太に捕まって泳いで帰って来ることになるそうです。完成したイカダに八人ほど乗船して交代でオールで漕ぎながら、海の上を進みます。足先は水に浸かっているので、冷たくてとても気持ちがいいです。なので、私は眠たくなってしまいました。
 砂浜でのお薦めの遊びは、砂に体を埋める砂風呂です。海で遊んで体が冷えた時は、温かい砂をかけて体を温めると気持ちが良いです。また、反対に暑い時は、砂を少し深く掘って足を入れると冷たくて、これもとても気持ちが良いです。
 イカダ作りも砂浜での遊びもとても楽しいのですが、やはり、海水浴が一番楽しいです。素もぐりの楽しさは無限大です。例えば、ゴーグルを着けて水中を観察します。海草や魚が沢山見えます。時折、魚が足にぶつかって来ます。そして私はその魚を追いかけて、「魚と鬼ごっこ」を楽しみます。当然追いつけませんが、追いかけている間は私も魚になったつもりで泳いでいます。
 魚の観察をしていると、ミズクラゲもたくさん見かけます。ほぼ透明ですがほんの少し白っぽく、プカプカととても可愛く泳いでいます。刺されてもほとんど痛みを感じることがないので、触ることもできます。感触は少し弾力のあるゼリーのようで、プニプニして可愛いかったです。
 魚やクラゲの観察中、水面にずっと顔を浸けて浮いていると、その様子を見ていたカメラマンに「生きてる?」と生存を確認されてしまいました。それぐらい夢中で観察し続けられるくらい楽しいです。
 海水浴中に見ることができる大好きな景色があります。それは、水底から見る海面です。特に、天気が良い時は水面(みなも)に太陽の光が当たって、キラキラと輝いて見えます。まるで、ファンタジー世界に迷い込んだかのような幻想的な景色です。
 このような海での遊びは、私にたくさんの刺激を与え、またたくさんの癒しも与えてくれます。
 海のキャンプでは、海での遊び以外にも、スイカ割り、野外炊飯、焼き板作りやキャンプファイヤーも楽しめます。たくさんの楽しい事をしながら、一日中友達と過ごします。食事中も入浴中も眠りに就くまでひたすら友達とおしゃべりをして、最高に楽しい幸せな四日間です。私も毎年参加していますが、私の話を聞いて毎年参加してくれる友達が増えていくのが嬉しいです。
 この二年は台風と新型コロナウイルスの影響で中止となってしまいましたが、来年こそはまたあの海に逢いたいです。

2020年12月02日