佳作 海を守る

吹田市立第一中学校3年 今村 玲菜

海といえばこの季節に私たちが最も行きたくなる場所だ。海に潜ることで見ることができる色とりどりのサンゴや魚たちは海の宝石とも言えるだろう。他にも海と言えば新鮮な魚のお寿司はとても絶品だ。そんな沢山のものを与えてくれる海だが、そんな海が最近いくつかの大きな問題を抱えている。
 まず誰もが聞いたことのある地球温暖化問題。海にとっても地球温暖化はとても深刻だ。思いつくだけでも海面上昇や水温上昇などの問題がある。
 海面上昇は私たちのような島国に住む人にとっては重大である。上昇すると特にサンゴ礁で出来ている小さな島々は海に飲まれていき、近い未来に海の中へ沈んでしまうだろうと言われている。実際にインド洋に浮かぶ美しい島々、モルディブの国は海抜が島の一番高い所で一・八メートルしかない。海面上昇だけでなく、洪水の頻度も増えている。これもまた地球温暖化の影響だ。地球温暖化によって天候が変わり、雨の降水量が以前より比べものにならないくらい増え、洪水が起こりやすくなったのだ。
 モルディブ政府は島々と住民を保護する数多くの対策を計画している。しかし資産が十分にあるわけではない。国を守るためには、各国の支援も必要としているが、それも急がなくてはいけない状況である。しかしモルディブだけでなく、世界中で数々の島々が海面上昇により土地を失う問題が深刻化している。未来にこの美しい海とその島々を世界の人たちみんなで協力し、守り残さなければならない。
 日本でも海面上昇や水面上昇問題があるが、実際に近年よく言われるのが、ある種類の魚の不漁である。昔は大漁だったのが、年々漁獲高が減少しているのだ。そして、いままで南国にしかいなかった色とりどりな魚が本州で見られるようになっている。
 先日、ジンベイザメが宮城県の沖合を泳いでいたという報道があった。日本では南日本や沖縄あたりに生息しているサメが東北沖で見られることはなかなかないそうだ。今年は宮城県沖や沿岸に近いところまで温かい海流が流れていて、春から夏に北上する生態のジンベイザメが温かい海流でここまできたのが要因だと言われている。ジンベイザメが見られるとなると喜んでしまいそうだが、温かい海を嫌う魚はどんどん北上して冷たい海の方へ移動してしまうだろう。
 つまり水温上昇で以前は簡単に食していた魚が手に入らないようになってきているのだ。私たちにも目に見える形で地球温暖化の問題に直面している。
 海は世界中をつないでいて誰にとっても大切な存在である。おそらくここで上げたモルディブや日本だけの問題ではないはずだ。今すべきことを私たちは未来に先延ばししている場合ではない。今すべきことを今、しなければならない。私たちの美しい大切な海を未来に残すためには、すぐ始めなければならない。

2021年12月19日