佳作 海と人による環境破壊

吹田市立第一中学校3年 宇都 祐二朗

海は地球上に存在する全ての生物の原点である。僕はこのことを初めて聞いたとき思わず口が開いた。海から人間や犬、その他陸上に住む生物が進出してきたなんて想像もつかなかった。だがそんな疑問はすぐに解けたのだ。ある日いつものようにテレビをぼんやりと見ていた時、たまたまコケの生態についての番組が放送されていたのである。番組によるとコケは進化の過程で陸上に進出するも湿度の高いところでしか生存することができなくなった。コケの他にもシダなどの植物や普段から目にする機会の多いタンポポやサクラなどの植物も取り上げられていたが、あくまでそれらは脇役であった。このとき僕が抱いていた疑念が晴れた。人も犬も、もともとは水中にいた魚のような生物が進化したものだと合点した。ではなぜ陸上へ進出したのかという新たな疑問が生じた。その疑問は前に抱いていたものとは違う、妙なものだった。僕は早くその疑問を解消するために自らの手で今まで見向きもしなかった専門的な本を開いた。これまでならばとっくに目まいを起こし机の上に倒れ込んでいるだろうと思うほどページ数を重ねた。その末、ついに原因をつきとめることができた。その答えはとても単純で今よりももっと、住みやすいところに移住する時に環境に応じて色々な進化を遂げただけだった。その時僕は点と点がつながる瞬間とはこのことを指すのかと一人優越感に浸っていた。それからしばらく時が経ち、世間は環境問題の話題でもちきりになり、様々な国からのトップが集う会議でも環境問題への対策案やそれに伴うリスクなどが講じられた。中でも最も懸念されている問題の一つに水質汚濁による海中生物の減少が挙げられ、各国の環境問題に対する士気が高まりはじめた。僕はふと思った。そもそもの話、海は人間や犬などのこの世に存在する生物の原点、言わば親のような存在なのにも関わらず、人間の身勝手な環境破壊によって汚してしまうことは海にとってはものすごく迷惑で親不孝どころか不憫に思われても仕方ないことではないかと。僕はこのように海が環境破壊されるということは今後あってはならないと強く思う。たとえ人類が発展するためであっても環境を破壊し、居場所を失うことは発展とは言えないだろう。だから我々人はこのことに一早く気付き、手遅れになる前に少しづつ環境に貢献していくことが求められているのではないか。僕は初めて海が全ての生物の原点であるということを聞き、その疑念を晴らした時のように、環境問題の中でも時に懸念されている海の水質汚濁に関する解決案を出すことに貢献したい。

2021年12月19日