佳作 一つ一つ自分から

近畿大学附属和歌山中学校2年 伊藤 宥征

 私たちと海は切っても切れない関係にある。だからこそ、海の状態が悪化すると私たちに大きな影響を及ぼすのだと思う。
 私は学年の活動でさまざまな場所の海岸の清掃をしてきた。しかし今までの清掃活動の場所でプラスチックが落ちていなかったことはなかった。ペットボトルから空きカン、ビニール袋などさまざまな種類のごみが数え切れないほど散乱していた。
 ある一回の清掃活動で、マイクロプラスチックを取り出してみるというものがあった。マイクロプラスチックは砂の中から取り出した。もちろん砂の中から取り出すのにも、さまざまな過程がある。その過程もなかなか時間がかかったが、たくさんの形、色をしたマイクロプラスチックを取り出すことができた。それらのマイクロプラスチックはとても小さく、目をこらしてこそ見えるものが多々あった。
 これらのマイクロプラスチックを魚が食べてしまっているとされている。そして、その魚を人間が口にしている。私も知らないうちにマイクロプラスチックを口にしてしまっているのだろう。
 また、二年ほど前船に乗って釣りをした。みんなで釣りを楽しんでいたのだが、きれいな海の表面にプカプカと浮いているプラスチックが目についた。そのプラスチックも海流の影響で同じ方向に流されていた。「このようにして陸に行き着くんだなぁ。」と少し学べたこともあった。しかし、「なぜ海の真ん中なのにプラスチックが浮いているのだろう。」と疑問に思った。それらのプラスチックを見ると、外国語のラベルがはられたりしていた。考えると、やはり海流の影響があるのだと感じた。もしかすると何も気にせず海に捨てたごみが他の国へ流れついているかもしれない。
 プラスチックの多い海だが、きれいな海もたくさんある。
 例えば白浜の海。私も行ったことがあるが青々としていてとても美しかったのを覚えている。さらに、沖縄の海。沖縄の海は透き通っているように感じた。それほど海全体がきれいだということだろう。
 このように海をきれいにするために、きれいに保つことはとても大切だと思う。しかし、それはとても難しいことだと私は考える。よって、一歩一歩自分のできることからこなしていくのが大事なのではないか。「ペットボトルはリサイクルをする」「使える物は再利用する」など自主的に海を守ることが大切だと思う。これらを積み重ねていけば海を守れると思う。
 さらに、海をきれいにしていくことによって、海での活動も一気に増えるだろう。
 一つ目として釣り。ペットボトルがプカプカ浮いている海で釣りはできないだろう。また、魚も少なくなるだろう。さらに、そこで魚を釣ったとしても、ペットボトルからなるマイクロプラスチックを口にしているかもしれない。それを人間が口にするのもあまり良くないと思う。
 二つ目としてスポーツ。海がきれいになることによって、浜辺にうち上げられるごみも少なくなると思う。そのきれいになった浜辺でスポーツを楽しむのもとても気持ちが良い。「ビーチフラッグ」や「ビーチバレー」など体を動かして暑くなってから、海に入るというのはとても楽しく、すがすがしいのではないかと私は考える。また、海の中でのスポーツも楽しめることになると思う。「スキューバダイビング」や「ヨット」など陸では感じられないスポーツの楽しさを感じることができると思う。
 これらのことは「海洋レクリエーション」につながるのではないか。自主的にたくさんの人が海に行って、さまざまなことをして楽しむ、そうすれば海をきれいにすることへの向上心が働くのではないか。「海が汚れる」→「海をきれいにしようと心がける」→「海がきれいになる」→「海でさまざまなことを楽しむ」→「もっと海をきれいにする」という一つ一つ海を守るしくみが出来上がっていくと思う。このしくみを作ることができるように、目の前のことから、一つ一つ、的確にこなしていきたいと思う。また、周りの人にも一つ一つ自分から伝えていって海の問題についてもっとみんなで考えていきたいと思う。

2021年12月19日