佳作 海と人間

近畿大学附属和歌山中学校2年 吉末 好葉

 私たちは、海チャレンジと題して海に関する活動を学校で行っている。その中で気になったのは、プラスチックによる環境問題だ。
 二〇二〇年七月一日に、レジ袋の有料化が義務化された。これはプラスチックゴミを削減するためである。
 では、なぜプラスチックゴミを削減する必要があったのか。それには昨今の海洋問題が関係している。
 まず、動物たちへの被害だ。海洋プラスチックゴミに影響を受けている生物は八百種を超えており、海鳥や海棲哺乳類、ウミガメ、魚などがプラスチックゴミにより命を落としているといわれている。原因の多くは、動物たちがプラゴミをえさだと間違えて食べてしまうことだ。例えばウミガメ。彼らはクラゲをえさにしているのだが、レジ袋が海に漂っていることでクラゲに見えるのだ。そして誤ってレジ袋を食べてしまうことで、消化管が詰まってしまったり、満腹だと勘違いしてしまい本来食べるべきものを食べず栄養失調になってしまうのだ。また、それは人間にも影響が及んでいる。私たちは知らない間に、一か月に二十一グラム、ハンガー一本分のプラスチックを食べている。自分たちの出したプラゴミが人間自身を苦しめているということだ。
 次に、これからの問題だ。すでに海洋汚染や生態系に影響を及ぼす海洋ゴミだが、これからも増え続けると予想されている。現在世界全体で毎年八百万トン流出しているといわれており、二〇五〇年にはその重量が魚の重量を超えると予測されている。
 私がこの海洋ゴミの問題に興味を持ったきっかけは、最初に書いたとおり学校での活動だ。学校ではSDGsなどについてを教えてもらっている。私は今までこのような問題があることを知らなかった。でも教えてもらい、実際に海へ行ってゴミ拾いをしたときに思った。これは誰もが関係ある問題なのだということ。無関心や興味を持たないでいることはできる。だが、無関係でいることはできないのだ。
 砂浜にはペットボトルのふたや日用品のゴミなどのプラスチックゴミだけでなく、たばこの吸い殻やビンなどもあった。それらによって海はどんどんと汚れていっている。そしてたくさんの動物を苦しめているのだ。
 最後に、海をゴミから守るために私たちは何ができるのか。
 まず、こういった問題があるということをたくさんの人が知ることだ。多くの人が知り、対策をすることで、深刻化することを防げる可能性が高くなると思う。
 次に、使わないということ。例えば、買い物にはエコバッグを持っていく、マイボトルを使いペットボトル飲料を買わない、などと小さな事だが、みんなが意識することで減らすことができる。
 最後に、ゴミを拾う。海に行ってゴミを拾うだけでなく、街中でゴミを拾うだけでいいのだ。散歩のついでなどでもいい。少しゴミを拾えば海の生き物たちが救われ、人間に及ぶ害も少なくなる。
 私たちの活動はこれからも発信し続けたいと思う。そしてたくさんの人に知ってもらい、海を守っていきたいと思う。

2021年12月19日