銅賞 海への取り組み

吹田市立第一中学校 3年 甲斐 陸斗

 僕らの生活は、地形に関する様々な情報によって支えられています。建造物や道路、公共インフラは、地形を踏まえ安全性や環境への影響を考慮しながらつくられており、毎朝の天気予報も地形の情報をなくして予測することはできない。地震だけでなく、近年の大雨による水害や土砂災害を思い出しても、地形情報は防災を考える上で必要不可欠です。それは陸だけでなく海も同様で、海底の地形が分かれば、潮の流れ、天候、地震、津波などをより正確に予測することができ、船舶の安全航行や防災など様々な方面で役に立ちます。また、未知の生態系の解明や保全、潮流を利用した発電、新たな資源の解明、医療に役立つ新生物の発見など、海底に秘められた可能性はたくさんあります。僕は海底の地形がこんなにも大切なものなんだと調べてみて初めて知りました。でも、海を全て解明するとこは今ではほとんど無理だと思いました。僕は海の知識は全然ないですが、専門家が完璧な海底地形図を作り上げるには、四百年ほどかかると言っていて、その四百年を縮めるにはさらなる技術の革新と国境にとらわれない専門家たちの団結が必要不可欠だと思ったからです。しかし、専門家は世界の海底地形の百パーセント解明を二〇三〇年に目標設定していて、そのプロジェクトの成功には、三つの方向性があると提示しました。
 一つ目は、未開拓海域でのマッピングの促進です。これまで調査が難しかった海域については、公的機関と民間セクターとの協力が重要になるそうです。
 二つ目は、クラウドソーシングによる海底地形データの収集です。データの収集をより早く進めていくには、専門知識がない人たちでもデータ収集に気軽に参加できるような仕組みづくりが必要かもしれないそうです。
 そして三つ目は、データ収集の技術革新です。日本財団アルムナイチームがコンペティションを通して今までは不可能とされていた水深四〇〇〇メートルでの無人測量を可能にするシステムを開発することに成功しました。そういった海底地形データを効果的に収集するための技術革新をより一層促進させるようなコンペティションの開催も検討していきたいと考えられています。
 このように世界各国で海に関する取り組みが行われていて、僕は何もできないけど、未来のためにがんばっている人を応援したいと思いました。

2021年12月18日