銅賞 海洋生物を守る

近畿大学附属和歌山中学校 2年 森本 悠太

 最近、海洋プラスチックごみや、マイクロプラスチックに関するニュースを目にする機会が増えたと感じている。また、ウミガメが誤ってポリ袋を飲み込んでしまいそうになる映像や、様々な海洋生物の体内から大量のマイクロプラスチックが出てくるというような映像を見たこともある。そして、私たちがマイクロプラスチックを摂取した魚を食べることにより、一週間でクレジットカード一枚分に相当する、約五グラムもの量を体内に取り込むことになるという。プラスチックは、手軽に使える分、手軽に環境中に捨てられてしまうという重大な問題を抱えているのである。
 プラスチックの使用量を抑えるための取り組みとして、昨年七月からレジ袋が有料化された。エコバッグを利用している人は増えたが、レジ袋を購入している人もまだ多く見掛ける。
 アメリカのカリフォルニア州では、この制度が二〇一六年から既に導入されていた。日本のこの取り組みは、海外と比べるとかなり後れを取っていると私は感じた。この頃、フランスでは、プラスチック製のコップやグラス、皿が使用禁止となった。「有料化」と「使用禁止」では大きな差があると思う。やはり有料化だけにとどめておくと、購入することが当たり前になっているという人もいるため、有料の期間をできるだけ短くし、使用禁止にするべきであると私は考えている。日本でもいずれ、プラスチック製の様々な製品が使えなくなる日が来ると思う。その日までプラスチックを使い続けるのではなく、今からプラスチックをできるだけ使わないように心掛けることがとても大切だと思う。
 私たちの学年では、海洋プラスチックごみによる海の生態系への影響を減らすために、「海チャレンジ」として浜辺の清掃活動を行っている。約一年間を通して、三回の清掃活動を実施した。
 一回目の清掃活動は、片男波でプラスチックごみの回収を行った。
 そこでは、ペットボトルやポリ袋、食品トレーが大半を占めた。その中には、小さくなったプラスチックの破片も多く見られた。海洋生物が誤飲してしまう可能性が十分にあり、海が生物にとって安心して生きられる場所ではなくなっていると感じた。
 二回目の清掃活動は、浜の宮でプラスチックごみ、マイクロプラスチックの回収を行った。
 マイクロプラスチックは、色や大きさが様々で、これが私たちの体内に入ってくると考えると、怖さを感じた。
 三回目の清掃活動は、友が島でプラスチックごみの回収を行った。
 友が島には、それまで清掃活動を行った場所とは比べものにならないくらいの量のプラスチックごみがあった。中には、中国語や韓国語で書かれたラベルが貼られているペットボトルが多数見られ、このことにはとても驚いた。
 プラスチックの使用量を減少させ、海洋生物が安全に、安心して生きていける海を取り戻すためには、海洋プラスチックごみ問題の現状を多くの人々に知ってもらうことが必要不可欠であると思う。
 海洋プラスチックごみ問題の現状を知ってもらうための方法として、映像を作成し、SNSで発信することが最も効果的であると考えている。また、友が島での清掃活動の発見を活かし、様々な言語に対応することで、海外の多くの方たちにも知ってもらえると思う。しかし、SNSでは幅広い年齢層の人々に知ってもらうことはできない。SNSを利用しない、お年寄りにも知ってもらえる方法が必要である。
 そこで、私たちは、プラスチックごみを用いてモザイクアートを作成することになった。モザイクアートを通じて、直感的に海洋プラスチックごみ問題の深刻さを理解してもらえると思う。
 この問題は、世界中の人々が協力し合い、解決していかなければならないと思う。一人ひとりの小さな取り組みが積み重なり、この問題の解決へと繋がっていくと思う。エコバッグやマイボトルを利用することや、食品の保存にラップを使用しないように心掛けることなど、今からできることはたくさんあるので、是非多くの人に実践してほしいと思う。

2021年12月18日