銅賞 和歌浦のゴミを減らすために

近畿大学附属和歌山中学校 1年 今岡 詩音梨

 私は先日、和歌の浦の遊覧船に乗りました。海がきれいでとても気持ちよかったです。ですが、途中で海にゴミが浮いていました。しかも、プラスチックのトレーやペットボトルなどです。きれいだった海がプラスチックゴミによって汚染されているのを見て、SDGsという言葉を思いだしました。
 そこで、私はSDGsについて調べてみました。SDGsとは持続可能な開発目標という意味です。その十四番目、海の豊かさを守ろう。ポイントは、「持続可能な社会のために、海と海の資源を守る」と「海と海の資源を持続可能な方法で利用する」らしいです。海は地球の七割を占めています。その海は、今、魚の獲りすぎや、魚を獲る量が増加し、違法な漁業が増え、魚資源が減ってしまいました。そして、まだ十分に利用できる水産資源はたったの6.2%になってしまいました。この数値を目にしたとき、私はとても驚きました。食事によく出てくる魚が、もしかしたら食べる機会が減るかもしれないのです。今では、世界の人口が増え、漁業の技術も進歩したせいで、マグロやウナギまでもが絶滅危機にあります。
 他にも、原因はあります。プラスチックゴミなどです。近年、プラスチックの生産量は大きく増えていて、1950年代とくらべて約200倍もの量が生産されています。特にペットボトルや、発砲スチロールなどの消費が増えています。しかも、プラスチックゴミは、ゴミとして捨てられると、自然に分解されることがほとんどありません。そして、捨てられたプラスチックゴミが最終的に行きつくのが海です。世界中の海には毎年約800万トンものプラスチックゴミが流れこんでいるといわれていて、2050年には、海に流れこんだプラスチックゴミが海の魚の量を超えるだろうという予想もあるほどです。プラスチックは海の中で砕けて、小さな破片となり、それを魚や海鳥たちがエサと間違えて食べてしまいます。クジラのお腹から山のようなプラスチックゴミがでてきた。同じようなことが多くの海の生きものや、それを食べる生きものたちに起きているのです。このようなことが続いたら、そのうち海はプラスチックだらけになってしまいます。そして、魚を食べることがすごく難しくなってしまうかもしれません。たった一つ、ペットボトルを海に捨てただけで何匹もの動物が死んでいくのです。そのことの重大さを私たちはよく分かっていません。人として、ゴミを海に捨てるという行為はおかしいと思います。海だけでなく、公園や道ばたでも、ゴミが散らばっているのを見たことがあります。そのゴミを捨てた人は、どういう気持ちで捨てたのでしょうか。だれかが拾ってくれる、一つくらい捨てても大丈夫、と思っているのでしょうか。そういう気持ちを持った大人が世の中にはたくさんいると思います。「一つくらい捨てても大丈夫」がたくさんになると、とんでもない数になります。そして、そんな気持ちでゴミを捨てていくと、まさに先程のように魚が食べれなくなるかもしれません。それは絶対になってはいけません。では、それを防ぐためにはどうすればよいのでしょう。
 私たちにできることはたくさんあります。一つは、ゴミを捨てないことです。ゴミを捨てるということは、人としてしてはいけないことですが、それを分かった上で捨てている人がいます。その人に、ちょっと注意をするだけで、ゴミが捨てられることがなくなるのです。
 もう一つは、「MSC認証マーク」のついている商品を買うことです。これは、いつまでも魚を食べ続けることができるように、海の自然や資源を守りながら獲られた水産物であることを示すマークです。このマークがついている商品を買うだけで、少しずつですが海を守ることにつながっていくのです。
 このように、私たちのちょっとした行動でも、海が少しずつきれいになっていきます。そして、プラスチックゴミを増やさないようにマイバッグやマイボトルを持ち歩くことで、豊かな海を守ることにつながります。それは海だけでなく、他の目標の達成にも関わっていきます。SDGsの目標の12番、「つくる責任 つかう責任」というところでも状況を良くできるのではないでしょうか。
 一人一人の行動で、海を守ることはできます。自分にできることを、私も少しずつ取りくんでいきたいなと思います。

2021年12月18日