銅賞 深海と深海生物について

上富田町立上富田中学校 3年 淡佐 遼

 地球の表面の七十パーセントは、海です。そして、海の面積の九十パーセント、体積の九十五パーセントが深海です。深海とは、太陽の光がほとんどとどかず、水深二百メートルより深い場所をよびます。深海は、暗く冷たい世界です。なぜなら、太陽の光が、海の中で水に吸収されて、とどかなくなるからです。水深一メートルで地表の四十五パーセント、水深二百メートルをこえると一パーセントに減り、人の眼では光はほとんど見えません。水深千メートルくらいまでは弱い光がとどいていますが、それをこえるとまっ暗な世界です。また、太陽の熱もとどかないので、深海は深くなるほど、どんどん水温が低くなります。それに加え、深海では大きな水圧がかかります。水圧の大きさを例えると、水深六千五百メートルでは、人の上に大きなビルが乗ったほどの圧力がかかります。他にも、かたい金属バットに水深五百メートルと同じ圧力をかけるとつぶれてしまいます。こんな厳しい環境でも、生きる生物たちがいます。この厳しい環境で深海生物は、どのように進化し、どのように生息しているのだろう。
 初めにからだの特徴を見ていきます。からだの特徴は、大きく二つあります。身を守る色とかくす色です。身を守る色は、赤いからだととうめいなからだです。赤いからだは、太陽の光に含まれている赤い光が水の中に入ると吸収されてしまい、深海にはとどかないので、深海では、赤いからだは見つかりにくいからです。とうめいなからだは、とめいなからだがどこにいても見つかりにくいからです。身をかくす色は、光るからだと黒いからだです。光るからだは、深海にとどくほんの少しの太陽でできた影で下にいる敵に見つからないように、上からわずかにあびる光と同じくらいの光をからだから出し、影ができないようにしているからです。黒いからだは、ほとんどの光を吸収するので、暗い海の中で見つかりにくいからです。
 次にからだの色々な器官を見ていきます。僕は、小学六年生の時に和歌山県海南市にある和歌山県立自然博物館に行きました。そこで、深海生物の標本を見ました。目が大きい物や目がなく、膜だけがある物がいました。口がとても大きい物や歯がギザギザな物もいました。目が大きい生き物は二百メートルから千メートルまでの深さに多くいます。なぜなら、この場所は、ある程度光がとどくので、その光を受けやすくするためです。そして、千メートルより深いところに目が小さい生き物や目がない生き物がいます。それは、この場所には、光がまったくとどかないからです。しかし、発光生物の光を見るために目が大きい生き物もいます。口が大きい生き物は、えものがとても少ない深海で少しでも多く食べようとしているからです。歯がギザギザな生き物は、深海でえものがとても少ないので、どんなにえものが大きくてもしっかりかぶりつくためです。
 深海では、大きな水圧がかかっていますが、なぜ深海生物は水圧の影響をうけないのでしょうか。それは、水圧に適したからだをしているからです。空気の入ったペットボトルはつぶれますが、水の入ったペットボトルはつぶれません。深海生物は、水の入ったペットボトルのようなからだなので、水圧の影響をうけません。
 このように、深海生物は深海で生きられるように適したからだに進化してきました。このような色々な事もたくさんの人が研究して発見してきました。しかし、深海については、まだ未知の事がたくさんあります。だから、僕もいつか深海魚についてのまだ知られていないことを発見してみたいです。

2021年12月19日