佳作 こいつに遭遇したら気を付けろ

高槻市立川西中学校3年 吉田 悠人

 今年も夏休みが始まり、コロナウイルスによる感染や外出自粛も去年よりも、減っていき、旅行や海、川など外出する人も多いと思うが、海に行く際、遭遇した時、離れたほうがいい危険生物を紹介する。
 一つ目は、のんびり漂う癒し系として水族館で大人気のクラゲ。しかし、それは水槽の中と外、完全に遮蔽されているからこそで触れる可能性がゼロだから言える。クラゲはれっきとした刺胞動物で、毒針で獲物を刺し、麻痺させて食べる。獲物はたいてい小さな動物プランクだが、小魚を捕える猛者もいる。人間はもちろんクラゲの獲物ではないが、あの長い触手に触れてしまうと、勝手に毒針が発射される仕組みになっているので、知らず知らずのうちに触れてしまい、刺されることもある。ただ、種類によってクラゲの毒の強弱の差が激しく、ほとんど無毒とされるミズクラゲなどがいる一方、カツオノエボシやハブクラゲのように毒が非常に強く死亡例があるクラゲのほか、アカクラゲやアンドンクラゲ、ハナガサクラゲ、カギノテクラゲなども刺されると非常に痛い。海に入るときは、肌の露出はなるべく避け、腕や脚が隠れるウエットスーツやラッシュガードを着用し、もし刺された場合、ピンセットなどで患部に付着する触手を取り除き、海水で洗い流して病院へ。ハブクラゲに刺されたことが確実なら、酢をかけると効果的。
 二つ目は、オニダルマオコゼ。オニオコゼ科の魚は、ヒレに非常に強い毒棘があるため基本的にどの種類でも注意が必要だが、特に猛毒なのはオニダルマオコゼで、死亡例もある。背ビレに一三棘、尻ビレ三棘、腹ビレに各一棘に毒がある。棘に刺さった場合、タンパク毒のため熱変性する。火傷しない程度の四五度前後の湯に浸けるとよい。
 三つ目は、イシサンゴを食害することで悪名高い大型ヒトデのオニヒトデ。腕は一〇~二〇本、背面にある長い毒棘は二、三センチにもなる。刺されると激しく痛み、患部が壊死することもあり、死亡例もある。しばしば大量発生することがあり、これも悩みの種。刺された場合、ピンセットなどで棘を抜き、火傷しない程度のお湯に浸し、即病院へ。
 四つ目は、クラゲと同じ刺胞動物のイソギンチャク。触手に毒の刺胞を持っていて、種類によって毒の強弱はあるが、うっかり触れると刺される危険性は高い。特に沖縄などでも見られるウデナガウンバチやハナブサイソギンチャクは非常に危険。激しい痛みや、水疱、長く続くかゆみが生じる。症状が重いときは皮膚の壊死や吐き気、筋肉痙攣などが起きる。海水浴や磯遊びで気づかずに踏みつけたり触れたりすることもある。対策として肌はなるべく露出せず、触れない。刺された場合は、ピンセットなどで触手を取り除き、海水で洗う。症状が重いようなら病院へ。
 五つ目は、ヒョウモンダコ。ヒョウモンダコの咬毒には、フグ毒と同じテトロドトキシンが含まれ、しびれや言語障害などが生じ死亡例もある。ダイビングよりは磯遊びで咬まれる危険性のほうが高く、青いリング模様は警戒色であるため、岩の亀裂などにはうかつに手を入れないこと。咬まれたら、即エグジットし病院へ。時間があれば流水で洗い流しながら患部から血を絞る。
 六つ目は、イモガイの仲間。肉食性の巻貝で、長い吻の先端にある歯舌を獲物に撃ち込み、猛毒を注入する。イモガイの仲間のうち最も恐ろしいのは沖縄で「ハブガイ」の異名をとるアンボイナガイで、死亡率が高い。イモガイと思われる形態の巻貝を見かけても決して触れず、咬まれたら即エグジットし、速やかに病院へ。
 七つ目は、ウミヘビの仲間。爬虫類のウミヘビはコブラ科に属し、牙に猛毒を持つ。特に、エラブウミヘビではハブの七〇~八〇倍の毒といわれ、死亡例もある。ただクロガシラウミヘビやマダラウミヘビなどは攻撃的だが、エラブウミヘビをはじめ全般におとなしい種類も多い。種類の見きわめが非常に難しいので、基本的に手出しはせずにし、咬まれた場合、早急に病院へ。
 ここでは七つ紹介したがこれらの他にも危険な生物もいるので海で遊ぶ際は、油断せず注意を怠らず、ライフセーバーがいる所で遊ぶことを心がけよう。


2022年12月09日