銅賞 海洋ゴミと大切な資源

近畿大学附属和歌山中学校 1年 佐伯 百菜

 私は釣りが好きです。近所のコンビナートで鯵や鰯を釣ったり、時々祖父の船で加太の方に太刀魚やカンパチを狙いに行ったりします。そんな時にスーパーの袋やプラスチックのカップ、切れた釣り糸などがプカプカと浮いているのをたくさん目にします。
 先日、和歌山市のSDGs活動の1つで、友が島へゴミ拾いに行ってきました。思った以上にゴミがあってびっくりしました。「1人1人がきちんとゴミ箱に捨てたら、こんなにゴミは発生しないのに…」と単純なことを考えてしまいました。ゴミの中に「イカの甲」を見つけました。私は魚を料理するのも食べるのも好きで、よく魚関係のユーチューブを見ているのですが、イカの料理動画を見ている時に「イカは死んで打ちあげられると甲の部分だけが自然に還らず残る」と言っていました。自然に還るゴミ、還らないゴミがあるとこを知って、海洋ゴミのことをインターネットで調べてみました。
 現在、世界中で海洋ゴミの量は1億5000万tあるといわれ、さらに毎年800万tもの量が新たに流れ出ていると言われています。このままのペースでゴミが増え続けると、2050年には海に生息する生き物の量よりも海洋ゴミの方が多くなってしまうそうです。
 海洋ゴミの中で、特に多いのが自然に還らないプラスチックゴミです。海洋ゴミ全体の66%だと言われています。プラスチックは海の美しさを損なうだけでなく、人体への健康被害にも関わってきます。なぜかというと、海に捨てられたプラスチックは、波や砂、紫外線の影響で砕かれ、小さくなりいつまでたっても自然分解されないマイクロプラスチックとなります。海にいる小さな生物が、マイクロプラスチックを誤って体内に入れてしまっても分解されず留まり、その生物を食べた魚→その魚を食べた我々人間にもマイクロプラスチックが体内に入り、1度体内に入ると排出されにくいと言われています。またプラスチックは燃やすと二酸化炭素が発生します。深刻な地球温暖化の問題にもプラスチックが関わっています。プラスチックを完全になくすことは不可能です。
 ではどうしたらいいのでしょうか。
 「プラスチック資源循環促進法」という法律が今年の4月に施行されました。「3R+リニューアブル」を意識した仕組みづくりをすることで、地球への環境保護に繋がり、持続可能な社会を目指すための法律です。3RのRとは「リデュース、リユース、リサイクル」の頭文字のRです。
 リデュース…物を大切に使いごみを減らす。私はエコバッグを常に持ち歩いています。コンビニやスーパーでもエコバッグ使用率が大幅に増えたような気がします。エコバッグを使用することにより、レジ袋の使用を減らすことができます。
 リユース…使い捨てにせず、繰り返し使う。我が家ではシャンプー、リンス、ボディシャンプー、ハンドソープ、消毒液は全て詰め替え商品を使っています。本体を買うよりも安価ですし、場所も取らないし、ボトルのゴミが出ないと良いことづくしです。また不要になったおもちゃを姪っ子にあげて再使用してもらったり、1回しか着ないドレスなどはメリカリを利用したりしています。
 リサイクル…貴重な資源として再利用するペットボトルや缶、古紙など、自治体のルールに従ってきちんと捨てるようにしています。そうすることによって、不要なものを新しい資源に変えることができます。牛乳パック7~10枚で、ディッシュペーパーが1箱、牛乳パック6枚でトイレットペーパー1個ができるそうです。
 リニューアブル…再生可能な資源に置き換える。バイオマスという言葉をよく耳にします。バイオマスとは動植物から生まれる生物資源の総称です。持続的に再生可能で、二酸化炭素の増減に影響を与えない性質を持っているとされています。例えば、インドでは食べられるビニール袋が開発されたそうです。見た目は普通のビニール袋のようですが、バナナや植物油など12種類の原材料からできていて、約3ヶ月で自然に還り、水を使えば1日で分解されるというものです。
 資源は永遠ではありません。限りある資源の為に、私たち1人1人が環境問題に向き合い意識して生活していかないと、自分たちの首をしめることになりかねません。
 「物を大事にしてゴミを減らす」少し意識するだけで、きっとゴミは減るはずです。気持ちよく釣りができる未来が来るよう、私は努力したいと思います。


2022年12月09日