銅賞 未来の海ってどんな海

大阪市立堀江中学校 2年 松浦 伊泉

 海。そう聞いて何を思い浮かべますか。魚がいっぱいできれいな海。サンゴ礁がたくさんある海。おいしい食べ物がある場所。泳いだり入ったりすると気持ちいい場所。私は、小さい頃に行った海を思い出しました。真っ白の砂浜と、うすい青色の海水のとてもきれいな色の対比と海水の透明さが今も鮮明に覚えています。私たち人間にとってたくさんの良いものを恵んでくれるともいえます。
 ところが、もうこのような海が見られなくなってしまうかもしれません。その主な原因は、暮らしと共にある地球温暖化です。世界の平均気温が上昇したり、環境が悪くなったりしますが、あまり海に関係ないと思っていました。しかし、調べてみると、深い関わりがあることを知り驚きました。
 まず一つ目の驚きは、約二十五年後の二〇五〇年には、魚の数よりも海洋プラスチックごみの方が多くなるかもしれないということです。世界中で発生しているプラスチックごみの約半分が使い捨てによるものです。また、これらのごみによって直径五ミリメートル以下に細かく砕けたマイクロプラスチックを食べた魚が死んでしまったこともありました。このまま何もしなければどんどん魚は減っていきます。そのため、政府は新しい施策を出し、「脱プラ化」を推進しています。そして、政府だけに任せるのではなく、私たちもごみを路上に捨てないようになることも大切です。
 二つ目は、砂浜がなくなるかもしれないということです。地球温暖化は進行し、北極や南極の氷が溶け、海面が上ってきています。世界の平均海面水位は約百二十年で二〇センチメートル程上がりました。もし、海面がさらに一メートル上ると日本の砂浜の九割を失うことになる可能性があります。また、私たちと同じ島国であるツバルは、標高が低いため国土に海水が少しずつ入ってきているそうです。そのため、ニュージーランドへの移住が始まっています。もしかすると、日本も移住する必要がある未来が来るかもしれません。
 このようなことにならないようにするために私たちは何ができるでしょうか。それは、今ある資源を無駄にしないことです。水を出しっぱなしにしたり、食べ物を捨てたりしないことで地球温暖化の進行につながっている二酸化炭素を減らすことができます。なぜなら、電気やガスなどの資源をつくり出す際に二酸化炭素を大量に発生させているからです。特に、世界の発電方法の一つである火力発電はものを燃やすエネルギーで発電するため、地球温暖化の進行を後押ししています。私たちが発電方法を急に変えることはできないので、まずは今あるものを大切にしましょう。
 また、私たちの食料にも問題があります。日本で食べている食品の約半分が外国から輸入したものです。安くてたくさんあるため、外国産をよく買う人も多いのではないかと思います。でも、少し目線を変えてみてください。これらの食材は外国の広い土地で作られているため安いですが、日本で作ることになると大量の水が必要になります。例えば、牛肉百グラムはえさなどをふくめ二〇六〇リットルもの水を使っています。この大量の水を可視化できるようにしたものが、バーチャルウォーター(仮想水)です。日本が海外から輸入するものにかかるバーチャルウォーターは、年間使用量を上回っています。私たちは世界の水に頼っているともいえます。この問題に対して私たちができることは、輸入品に頼らず国内でつくられた食品を食べることです。ただし、私たちの国土は狭いため全て国産のものを食べることは難しいですが、私たちが海などを通じて輸入されてきた食べ物に対して色々な面で考えてから買うようにすれば、人々の暮らしも世界の状況も良くなっていくと思います。
 地球温暖化は、常に進行しています。このまま何もせず放っておくと、世界中で猛暑が続き干ばつや山火事を引き起こしたり、海面が上昇して住む場所がなくなったりするかもしれません。特に、日本は島国なので、ツバルと同じようなことが起こる可能性が十分にあります。私たちの重要な観光資源である美しい海やそこからとれるおいしい海の幸、そしてこの国自体を守っていくためにも、良い環境の海を次へ繋げていく必要があります。だから、私は海に行くときにごみを拾ったり輸入したものに頼りすぎないようにしたりして、小さなことでも海に優しい生活を心がけていきます。


2023年12月07日