銅賞 海の平和と恵み

桃山学院中学校 1年 引地 春心

 私は、歌う事が好きです。いのちや平和について知ったり学んだりして、それを歌に用いて合唱しています。私が在籍している合唱団で、数ヶ月前より、沖縄の平和に関する歌を歌っています。
 踊りのかけ声や太陽の様子、土地や人々の気持ちなどが出てくる中、この歌には「海」という言葉や情景もたくさん出てきます。その事について学ぶ中で、私は沖縄に住む方々にとって海は生活や心を豊かにする物の生命の源という大切な存在だという事を改めて感じました。そして、指揮者の先生が戦争中は海の生き物にも影響があった事も教えてくださいました。
 戦争中の海の状態についてどんな感じだったんだろうと思い話を聞いてみると戦艦大和についても教えて下さいました。戦艦大和は約79年前の戦争用に作られ、米軍との海上戦で大砲によって沈みました。沈んだ海、その海には住んでいる生き物がいる、潜水艦が沈んだという事は、危険な物質などが海に広がり、海が汚染される事は、海に住んでいる生き物も危険な状態になって死んでしまうという事だと捉えました。
 小学校の時に戦争では魚雷攻撃などもあったと学んだ事を思い出したのですが、やはり海に住んでいる魚をはじめ様々な生物がとても危険な状態にあったと思います。そこで、沈没した潜水艦によって海ではどのような事になっていたのか気になり、当時の海の状況について、調べてみました。
 残念な事に、沈没した船から流出した油によって海が汚染されていたという事が分かりました。昔から汚染、自然破壊は変わらず人間が引き起こしているんだなと思いました。
 こうして考えると、今の海の問題としてプラスチック類が与える影響について取りあげられたり、夏に行ったサマーキャンプで海岸に人間が残したごみが浮かんでいたりした事、それ同様に影響しているのではないかと思いました。
 小学校の時知ったSDGs。SDGsの2030年までに達成する17の目標の中に「海の豊かさを守ろう」という目標があります。私たち子どもも大人も日本も世界も一緒に考えて、6年後までに達成できるように私もできる事をしようと思います。
 夏休み、祖父の家に行きました。そこには祖父の中学校の美術の先生が描いた灯台の絵が飾られています。そして灯台は祖父のお気に入りの場所で、その灯台に私も連れていってもらいました。安乗崎灯台に行ってみると想像してたよりとても大きく、白くてそびえ立つこの灯台は海に携わる方々への目印なんだなと改めて感じました。祖父から安乗崎灯台周辺の海は昔から難所の灘だったと聞きました。きっと、大雨の日に船から、遠くの灯台の光を確認し、安全に航行しそして命を守ってきたのだと思います。
 海の目印といえば光や旗で知らせる事も多くあります。私の親戚の漁師さんは、大漁の時、大漁旗を揚げて帰港するそうです。幼稚園や小学校の時に踊ったソーラン節。漁師さんが大漁旗をかかげる事、その気持ちを知れば、もっと海が近くなると思います。
 家に帰ってからその漁師の方が釣ってくれた舌平目を食べました。舌平目は肉厚でおいしかったです。その時、こんなにおいしい舌平目が水質汚染なので食べられなくなるのは嫌だと思いました。
 今回、海の水を守る事、海の平和を保とうとする事について改めて考えたり、調べたり今までの思った事を整理できて、今後の海の事を考えるきっかけになったと思います。
 ですが、それ以上に、私自身はやはり、人の考えや気持ちをきいたり伝えあったり、その場所に行ってみたりして、体験する事で、今まで自分が思っていた事の数倍の気づきがある事が多いと感じました。
 魚を釣る漁師さん、普段海での仕事を生活にしている方の気持ちを知った事で「いただきます。」の手はいつもより気持ちをこめてしっかり重ねておいしくいただいています。
 観光名所になっている灯台を描く方、その絵を喜んで飾る祖父、地元の人にとって大切にしたい風景や心なのだろうと思います。
 私が考える海の恵みとは、漁師の皆さんが私たちの為に大変な思いをしながら獲ってきて下さった新鮮な魚を味わいながら食べる事、そしてしっかりと食前と食後の挨拶を言って海の恵みに感謝をしながら食べる事。それが漁師さんや海への感謝の仕方だと思います。自分と相手と一緒に食べてお互いに思った事を言い、受けとめあいたいです。家族、友達、出会った人たち、思っている事をわかち合う事で意識や行動が少しずつ変化しているとき、海の平和につながると信じます。



2024年12月01日