佳作 海を渡って入ってくるフィットネスマシン

桃山学院中学校 1年 坪野 叶和

 僕の両親は、海外からフィットネスマシンを輸入し、日本国内で販売しています。今回はその仕事の流れについて書きたいと思います。
 まず、両親は海外のメーカーと英語でやりとりを行います。注文内容を決め、見積もりを出してもらいます。この見積もりの事を英語で「Proforma Invoice」と言います。発注を行う場合、国際送金を使ってメーカーに30%の頭金を支払い、メーカーがコンテナに商品を積み込んで日本に送ってくれます。
 コンテナが日本に到着すると、大阪南港に入ります。この段階で必要な書類には、「Commercial Invoice」「Packing List」「Bill of Lading」「Arrival Notice」があります。
コマーシャルインボイスは商品の価格や数量、発送先などが記載された請求書です。パッキングリストは商品がどのように梱包されているか、具体的な内容が書かれたリストです。箱の数や内容物の詳細が記載されています。B/Lは輸入に使われる船積書類で、貨物の所有権を示します。アライバルノーティスは貨物が日本に到着したことを知らせる通知書です。
 これらの書類には、メーカーの名前や住所、商品の内容、重さ、金額などの正確な情報が含まれていなければなりません。すべての書類が正しく揃ったら、税関での手続きに進みます。
 税関では、パソコンを使って必要なデータを入力し、商品の詳細やHSCODEも記載します。HSCODEとは、国際貿易における商品分類コードで、商品の種類ごとに付与されるコードです。これにより、どの商品が輸入されているかが明確になります。手続きが完了したら、その場で関税を支払い、最も重要な「輸入許可証」を受け取ります。
ただし、税関の検査は非常に厳しく行われます。税関では、書類の内容が正確であるかどうかを細かくチェックし、不審な点があれば追加の検査が行われることがあります。例えば、商品が正しく申告されているか、密輸品や不正な商品が含まれていないかを確認するために、コンテナの中身を直接検査することもあります。この場合、税関職員がコンテナを開けて商品の内容を検査し、問題がなければ通関が許可されます。しかし、もし何か問題が見つかった場合は、通関が遅れたり、追加の書類提出や修正が求められることもあります。
 また、輸入手続きには、港で多くの人々の努力が関わっています。例えば、港湾作業員は大きなコンテナを安全に下ろしたり、正確に配置したりします。専用の機材やクレーンを使い、荷物が破損しないように慎重に作業を進めます。さらに、通関業者や輸入業者も重要な役割を果たしています。彼らは書類の確認や手続きのサポートを行い、貨物が問題なく受け取れるように調整します。
輸入許可証を受け取ると、南港にある倉庫から商品を引き取ることが可能になります。
コンテナを輸入した場合、専用の運送会社がコンテナを倉庫まで運んでくれます。倉庫では、専用の業者が荷物を下ろし、全ての作業が完了します。
 このように、僕の両親はフィットネスマシンを海外から輸入し、国内で販売しています。税関の検査は厳しく、港では多くの人々が一生懸命働いています。僕はこのプロセスを見て、貿易の複雑さと大切さ、そしてそれを支える多くの人々の努力を学びました。



2024年12月01日