佳作 近所の海から考えたこと

桃山学院中学校 1年 姫田 紗和

 私の家は海の近くにある。おそらく「海」という言葉を聞いたら、ビーチのような、きれいな海を思いうかべる人がほとんどだと思う。しかし、私の家の近くの海は、きれいな海ではない。ゴミが浮かび、水はにごり、臭いもある。とてもきれいだとはいえないのだ。
 私はここへ行くたびにゴミが気になった。だれか、このゴミを取ろうと思う人はいないのか、ぎもんに思った。その時の私はまだ小さく、ゴミを取ることはできなかった。ゴミは、まだ放置されている。
 小学校の6年生になったとき、学校の授業で、地域の方との座談会というものがあった。そこで、地域のゴミの問題についての話が出た。私の気になっていたことだ。私の住んでいる地域には、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」という、海外からも人気のテーマパークがある。そして、ゴミの問題は、どうやらその観光客によるゴミの放置、ポイ捨てなどが原因にあるようだ。たしかに、コンビニの前や階段付近には飲食をしている人や、ポイ捨てされたゴミがよく見られる。風で飛ばされたり、みぞに落ちているものもある。それらが、川や海に流れ、海を汚したり、生き物の命をうばったりしているのだと知った。
 そこで、私は美化委員会の友達にあることを委員会で提案してほしいとお願いした。それは、「校区のゴミ拾い」だ。来年、大阪・関西万博がある。開さい地でもあるため、きれいにしておいたほうが良いだろう。それに、小学生だった私たちでもできると思ったのだ。残念ながら、実現はできなかったが、多くの友達や、先生方が共感してくれた。これは、とても良いことだと思う。
 私は、ゴミの問題について考えていると、ある言葉を思い出した。それは、「来たときよりも美しく」だ。この言葉は、私の通っていた小学校で、校外学習などの学校を出る行事の時は必ず言われていた。この言葉は、とても良い言葉だとは思わないだろうか。例えば、ある観光地を訪れたとする。そこが、ゴミがたくさん落ちていたとしたらどうだろう。ほとんどの人がいやだと思うだろう。一方で、みんなが「来た時よりも美しく」を心がけ、自分で出したゴミ以外も、きちんとゴミ箱に捨てている。きれいな土地だと、とても良い気分になると思うのだ。そこで、私はあることをお願いしたい。それは、「来た時よりも美しく」という言葉を、頭の片すみに入れておいてほしいのだ。そして、いつかどこかを訪れたときにふとこの言葉を思い出し、自分の出したゴミだけでも、ゴミ箱に捨てたり、持ち帰ったりして、きれいな土地にしてほしいと思う。



2024年12月01日