銀賞 近畿海事広報協会会長賞 未来の海のため

守山市立守山中学校 2年 関岡 よつば

 私は絵を描くのが好きです。描き終わった後の絵の具は固まっていたりして取りづらく、めんどくさいと思いつつも水道で洗って流します。
 あるときスマホを見ていると、ある動画が流れてきました。「絵を描いた後の水をそのまま流してはいけない」というものでした。その動画で紹介されていたことは絵の具が溶かされた色水は下水処理を通り抜けて川や海に流れ出てしまうというものでした。アクリル絵の具はプラスチックの膜をつくる成分で、細かな粒は分解されずに残るそうです。それは水彩絵の具も同じでアクリル絵の具と比べると天然由来で分解されるけど、有害金属はそのまま残ります。それらはマイクロプラスチックとなって海に行ってしまいます。そのマイクロプラスチックを取り込んでしまった魚などを私たちが食べることになってしまうのです。魚や亀が海に浮くゴミを間違えて飲み込んでしまい、息ができなくなった生き物たちが浜辺に流れつくという問題を小学校のSDGsの時間に習ったことがあります。
 私は色水が下水処理を通り抜けてしまうことも色水に有害な物質が含まれていることも初めて知りました。絵の具から環境問題に考えを向けたこともなく、思い返すと固形のまま流してしまうこともありました。これまで何も知らずに絵の具を溶かした色水を何度も流していたのかと、ひどく自分に落胆しました。これは学校などでも伝えていくべきなのではないかと考えました。
 この色水に含まれるプラスチックを海に流さないようにするためにこの動画では天日干しという、外に出して水だけ蒸発させる処理の仕方が紹介されていましたが、他にもないか自分で調べてみることにしました。色水を新聞紙や雑巾に吸わせて乾かしてから捨てる方法や凝固剤を混ぜて固める方法もありましたが、天日干しかバケツにためて放置したあと上澄みだけ捨てるのが一番簡単で学校などにも取り入れられる方法だということにたどり着きました。
 「海は広く、一人が使った色水なんかで環境汚染はそこまで変わらない。」そう私は思っていました。ですが、ひとりひとりが意識して、一つの学校で行う。一つの地域で行う。そうすると全然違うのかなと、色水は自然にとって良くないことを広げていけたら違う結果が出るのかなと考えます。絵の具は油が使われているのもあれば、筆も木や竹などの自然から作られています。それを汚して自然に戻していてはだめだと感じました。このまま何もせずに汚れていく海を未来につなぐのではなく、少しでもきれいな海を残していくことが大事だと思います。魚や貝の命、これから先の自分たちの暮らしがなくならなくていいように些細なことから取り組むことが大切だと気づけました。



2025年12月01日