佳作 近畿海事広報協会会長賞 海運は身近にある

守山市立守山中学校 2年 畑山 隼翔

 皆さんは海がどんなところで活躍しているか知っていますか。海と言われると魚や海藻などの水産物や観光などのイメージがありますが、それ以外にも活躍しているところがあります。それは海運です。
 海運とは、海上ルートを利用し、船舶で貨物や旅客を運ぶことをいい、海上輸送とも呼ばれています。海運は世界で活躍していて、海運が滞ってしまうと、商品の価格が上がったり、商品が並ばなくなったりと世界全体に影響を及ぼします。このように、経済活動や人々の生活を支えるライフラインとして、海運は極めて大事な役割を担っています。
 海運は日本の輸出入にとても使われています。他にも遠距離の輸送などに多く使われています。なぜこんなにも海運が使われているのでしょうか。それは、陸運や空運に比べて一度に運べる量が多く、かつ輸送コストは他の運輸手段よりも低いからです。その他にも地球温暖化の原因になる二酸化炭素の排出量が他の輸送手段よりも比較的少ないところや重量の制限がほとんどないところなどがあります。このようにメリットが多く、他の輸送手段にはない特徴を持っているためたくさん使われています。
 海運はどんな物がどんな船で運ばれているのでしょうか。海運は様々な種類を運んでいます。例えば、生活必需品のほとんどは船で運んでいます。船は運ぶものによって違い、食料や衣服、家具、家電などがコンテナ船、穀物や鉄鉱石、石炭はばら積み船というもので運ばれています。では、船でどれだけ運べるのでしょうか。タンカーVLCCと呼ばれる船は、30万トンも運べます。このように、一度にたくさん運ぶために多く入るようになっています。
 では、海運がなくなってしまうとどのような支障がでるのでしょうか。日本を含む多くの島国では生活必需品や工業製品、エネルギー資源などの輸入が途絶え、経済が機能しなくなり、国民生活は破綻します。このように、日本の貿易の99%以上は海運なので、とても大変なことになります。
 そんな海運ですが、環境問題を解決するために、取り組んでいることがあります。それは、社会の脱炭素化です。環境を守るために取り組んでいることが3つあり、1つ目は温室効果ガスを排出しないエコシップを作ることです。近年は、温室効果ガスの排出量が少ない船舶の導入が進んでいて、その他にも、先を見据えたアンモニアや水素などの温室効果ガスを排出しない燃料や風力、太陽光などの自然エネルギーを活用する船の開発や電気推進船の導入などが進んでいます。2つ目は環境問題への取り組みを通じてSDGs達成に貢献することです。例えば、12番のつくる責任つかう責任の取り組みとして、廃船の再資源化や解体時の環境などを考えることなどをしています。3つ目は、トラックの代わりに船が運ぶことです。船はトラックより二酸化炭素の排出量が少なく、一度にたくさんの量が運べるので、二酸化炭素の削減ができます。例えば、モーダルシフトといわれる方法があり、それはトラックで直接目的地に行くのではなく、途中で船に変えて運ぶことでトラックの走行距離を減らし、二酸化炭素の削減ができます。
 僕はこのような環境の取り組みを見て、たくさん使う輸送手段だから、問題への対策をしっかりしようという決意が見えました。なので、僕も自分にできることがあると思うのでテレビのニュースやインターネットを使って今の現状やできることを知って、自分にできることをしたいです。



2025年12月01日