桃山学院中学校 2年 池側 正宗
僕は海や魚が大好きで、毎年のように沖縄へ旅行に行っています。この夏、僕は初めて宮古島を訪れました。飛行機から見えた景色は宮古ブルーのとても綺麗な海でした。その美しさに思わず息をのみました。白い砂浜と海の透明さがあまりにも綺麗で、「どうしてここまで透きとおっているのだろう」と不思議に思いました。そこで、今回は宮古島の海の秘密を調べてみることにしました。
まず、宮古島はサンゴ礁が隆起してできた島です。そため山や大きな川がなく、雨が降っても土砂が海に流れ込みにくいそうです。普通の島や海岸では、雨のたびに土が海に入ってにごってしまいますが、宮古島ではそれが少ないので、透明度が保たれているのです。
また、サンゴ礁には浄化作用があります。サンゴは光合成をして海の二酸化炭素を吸収し、酸素やミネラルを出すので、水がきれいに保たれるそうです。さらに、ビーチの白い砂も美しさの理由の一つです。サンゴや貝が砕けてできた白い砂は太陽の光を反射し、海を一層輝かせます。潮の流れも穏やかで、砂が舞い上がらず、透明度を高く保つのに役立っています。これらが組み合わさって、宮古島の海は世界でも有数の美しい海と呼ばれているということが分かりました。
一方で、調べていくうちに意外なことも分かりました。宮古島には山や川がないので、雨水をためる場所がありません。島全体が琉球石灰岩でできていて雨が降ってもすぐ地下にしみ込み、やがて海に流れ出してしまいます。そのため、昔から水不足に苦しんできました。特に昭和四十六年には大干ばつがあり、農業に大きな被害を受けたそうです。
この問題を解決するために建設されたのが「地下ダム」です。地下ダムとは、地面の下にコンクリートの壁を作って地下水をせき止める仕組みです。水を通しにくい地層の上に壁をつくり上流の琉球石灰岩のすき間に雨水を貯めます。いわば、地面の下に大きなタンクを作るようなものです。この発想によって宮古島は安定して水を得られるようになり、農業も発展しました。
ここで僕は、あることを思い出しました。社会の授業で、「沖縄の民家には屋根に貯水タンクがある」と習ったのですが、宮古島を歩いてみると、どの家にもタンクが見当たりません。同じ沖縄なのにどうしてだろうと調べてみると、地下ダムの完成によって水不足が大きく改善され、家庭用タンクの必要がなくなったからだと分かりました。
僕は、宮古島の海の美しさに感動しましたが、その裏には水不足という大きな問題があったことを知りました。そして、地下ダムという人々の知恵と努力によって、その問題が解決されたことに驚きました。海の美しさと地下ダムの存在は、宮古島の自然と人間の工夫が共に作り出した宝物だと思います。僕はまた宮古島を訪れて、この自然と人々の知恵を感じてみたいです。

