彦根市立西中学校 2年 市川 絵梨
夏休みのある朝、私は家から遠い、海岸清掃に参加した。朝の海は、波の音が心地よく聞こえて、朝からスッキリとした気持ちで迎えた。
私は、夏休みにはバーベキューや砂浜で貝殻を拾ったりした思い出がある。私にとっての海は「楽しい場所」だった。
ところが、その海が今、大きな問題を抱えていたのだった。だからこそ、この活動に参加し、自分の目で確かめてみたいと思ったのだ。
集合場所に着くと、地域の人や友達、ボランティアの人達が大きなごみ袋を持って集まっていた。「では、お願いします」という声掛けで、いよいよ清掃が始まったのだ。最初に砂浜を見渡したときは、遠目で見ると、波の音がして、スッキリとした風が吹いていた。近づいていくと、足元は、ペットボトルや空き缶、食品の袋やプラスチックの破片など、数えきれないほどのごみが散らばっていた。しばらく拾っていると、カラフルな破片が目に入った。その瞬間、私はハッとした。「もし魚やカメが食べてしまったらどうなるのだろう、危ないな」と考えたからだ。命を落としてしまうこともある。
友達とごみを拾っていくと、ごみ袋はすぐにいっぱいになった。小さなプラスチック片や色あせたストローなど、次々に見つかった。拾っても拾っても終わりがなく、私は、「人間って、こんなたくさんのごみを出したり、ポイ捨てをしているのか」と考えた、活動を終えるころには、山のようなごみ袋が積み上げられていた。重たい袋を持ちながら、「これだけのごみがもし海に流されてしまっていたら・・・」と想像すると恐ろしくなりました。しかし同時に「今日の活動で少しでも海や生き物の命を守れたかもしれない」と思い、心が温かくなった。また、自分が取ったごみの分だけ、生き物の命を救っていると思うと嬉しかった。活動が終わった後、眩しい太陽の光が海面に移り、それがきれいで、いつもより美しく感じた。自分の手で実際に環境を守る体験ができたからこそ、その景色がいつもより輝いて、美しく見えたんだと思った。
けれども、ただ掃除を続けるだけでは、根本的な解決にはなりません。本当に大切なのは、「ポイ捨てをしない」、「ごみをできるだけ出さないように、リサイクル」など積極的に取り組むことだと強く感じた。私にできることは小さなことかもしれません。たとえば、ペットボトルではなく、水筒を持ち歩くこと。買い物をするときはマイバックを使うこと。ごみ箱に捨てる前に、一度、「これ何か使えないかな」と考えて、無駄を減らしていくことだ。どれも当たり前かもしれませんが、その積み重ねが未来の海を守ることにつながると思った。海は、たくさんの命を育む場所だ。海を守ることは、生き物の命を守るだけでなく、私たち自身の命を守ることでもあるのだ。
清掃活動は大変でしたが、みんなで協力すると海岸がきれいになり、海を守ることができると分かった。これからは、自分にできることを見つけて、環境を守ってくれる、人間にとっても生き物にとっても大切な存在の海を守っていきたいと思った。

