銀賞 海洋汚染について考える

帝塚山中学校 1年 森 駿介

 海という言葉を聞いて、気になることがある。それは、海洋汚染の問題。
 昨年の六月、祖母の家で、新聞を見て初めてプラスチック問題を知った。新聞にはレジ袋を有料にすべきか、どうかという内容が書かれていた。ぼくは、
「エーッレジ袋有料か、困るな、今のままがいいな。」
と思った。その頃、小学六年生のぼくは、プラスチック問題もレジ袋のことも、そんなに急いで解決しようとせず、みんなの意見を聞きながら、ゆっくりやっていけばいいと考えていた。
 あれから、一年、六月のG20大阪サミットで安部首相は二千五十年までに、プラごみによる新たな海洋汚染ゼロを目指す共通の目標「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を盛り込んだ。
 あと三十一年あれば、海の汚染は止められるのだろうか。プラスチックが水面を埋めつくす運河がきれいなるのだろうか。まちがえて飲んだプラスチックゴミで死ぬクジラは減るのだろうか。
 新聞やテレビ、身近な人から聞いた話などから海洋汚染の問題について考えていきたい。
 そもそもプラスチックって何だろう。国語辞典で調べてみた。(化学的に合成した高分子有機化合物、熱や圧力を加えることにより自由に変形でき用途が広い。合成樹脂)
 このプラスチックが、海へ流出すると漂いながら紫外線などで砕け、五ミリ以下のマイクロプラスチックになる。それは、自然界でほとんど分解されず、有害化学物質を吸着しやすい性質を持つ。クジラの他イルカ、ウミガメ、海鳥などの体内からプラスチックが出てきてしまっている。
 「海」のよごれは止められないのだろうか。身勝手な人間の行動が、動物たちに迷惑をかけている。そして命をおびやかしている。
 プラスチックが生活からなくなると、どうなるのだろう。海洋汚染について考える時に、真っ先に課題になる事。やばいなあと思う。プラスチックのある生活に慣れているから、なくなると、とても不便に感じると思う。
 ぼくの使っている筆箱を見てみると、ソフトプラスチックでできている。中をのぞいてみるとえんぴつ以外は、ほぼプラスチックでできている。シャープペン、けい光ペン、ネームペン、ボールペン、ものさし、消しゴムなど。身近な物は、ほとんどプラスチックだ。プラスチックであふれている。
 お母さんに聞いてみよう。
「プラスチックが生活からなくなれば、どうなると思う。」
「プラスチックのない買い物をするほうが難しいわね、買い物ができないわ。」
と答えてくれた。
「大変だ。」
 プラスチックに代わるものができるのか。新聞を見ると、日本でもその研究がされていると載っている。プラスチックと別のもので土に変わるものを研究しているそうだ。それは、生分解性プラスチックとバイオマスプラスチックだ。これは微生物によって分解され、最終的には土になる。海洋汚染の問題が解決される道が見えてきた。
 僕は、人間の活動のせいで、海をよごし、動物に迷惑をかけていると思う。夏休みに読んだ池内了さんの『科学の考え方・学び方』には大量生産・大量消費の構造にしてしまった、私たちの世代の責任だと書いている。また、借金を子孫に押しつけず、子孫の負担を少しでも軽くするような手だてを打っていかねばならないと書いてあった。
 僕も池内さんの考えに賛成だ。環境問題は、人間の責任だと思う。人間が気をつけないといけない事で、大量生産・大量消費についてそろそろ考えていかないといけないなと思う。
 便利な生活に慣れた私たちの生活はまだまだ続きそうだ。不便な生活にはなかなか戻れないと思う。でも、不便でも戻さなければならない。大量消費を抑えてケチケチ生活を実行する。あまり物を買わない(必要な物だけ)生活からむだな物を省く。
 物を作る会社にお願いしたい事がある。プラスチック製品を作るのをやめられないだろうか。この夏休み、テレビでキットカットを作っている会社が紙製への切り替えを発表した。アサヒビールは、新素材のパルプからできたコップに替える。
 僕は意識する。ゴミを減らす生活を。不便でも物にあふれる生活をしない。日本だけでなく、外国の動きも見ながら、地球規模で海洋汚染についていい方法を考え、世界に発信していける人になりたい。みんなの意識を変えるその一歩を、歩みだしたい。

2019年12月01日