佳作 海の環境問題

高槻中学校 2年 本田 拓大

 最近、海にプラスチックなどが流れていて動物の体に巻きついたり、動物が飲み込んだりして海の動物が死んだという話をよく聞く。
 例えば、が死したクジラがいて、そのクジラの胃の中を解剖するとプラスチックのビニール袋が80枚出てきたという。オーストラリアの海では捨てられた網にオットセイがからまっていた。このように海にあるはずのないものが、海に流れていると生態系に悪影響をおよぼすのである。
 海にプラスチックが流れ込むと、海の中で石でけずられるなどして小さくなっていく。
 ここで、もし流木や海藻なら微生物などの働きでやがて分解されるのだが、プラスチックの場合は、いくら小さくなってもなくならない。その小さなプラスチックを動物プランクトンが植物プランクトンと間違えて食べてしまうことがある。魚は動物プランクトンを食べて、その魚はサメやクジラに食べられるのでたくさんの動物がプラスチックの害を被ることになるのである。
 プラスチックの表面には様々な物質が付着している。そのなかには、有害な物質も含まれており、魚が食べることでその魚に悪影響をおよぼす。実際に、魚や貝の中から有害物質が見つかっている。
 では、そもそも何故プラスチックが海に流れているのか。
 一つは人である。人が海にゴミを捨てるので海にプラスチックが流れ出ている。特に多いのは、ビニール袋や針金で、はじめに挙げた例のように、ビニール袋が何枚も胃の中にたまっていることが分かる。これは海だけでなく、陸上でも同じようなことが起こっており、奈良で死んだ鹿の胃の中から約三キロほどのビニール袋のかたまりがでてきている。
 また海岸にプラスチックの容器が捨ててあり、その中にアザラシが鼻先を入れて、挟まってしまっていた。
 他にも人間が捨ててあったゴミが風で吹き飛ばされて海に流れ込むということもあるが結局は人による原因が大きいと思われる。
 では海にゴミが入らないようにするにはどうすべきだろうか。
 もちろん、完璧には難しいが、極力減らすことはできる。例えば、海岸に「プラスチックなどのゴミ類は持ち込まないでください」などのメッセージを書いた立て看板を設置したり、ゴミを回収する箱を来客に使用してもらったりすると良いとぼくは思う。
 又、注意をよびかける団体をつくったり、地域の人々で清掃活動を行ったりしても良いだろう。
 とにかく、一人一人、自分自身が、自分たちの捨てるプラスチックなどのゴミで、海にいる動物たちを害しているということは忘れてはいけない。そしてもし捨てている人がいれば、お互いに注意し合うなどするべきである。もしゴミを捨てる人がいなくなれば、海の環境はより良くなるだろう。

2019年12月01日