佳作 海洋生物と人の共生の大切さ

高槻中学校 2年 堀澤 悠夏

 私は「海に関する作文」として、「海洋生物と人の共生の大切さ」について書きたいと思います。その理由は最近、プラスチックゴミに関するニュースを見てショックを受けたからです。
 以下に、現在、海洋で起こっている二つの問題点とその解決策について説明します。
 一つ目の問題点は、サンゴの白化現象です。この問題は、約二年前に世界最大のサンゴ礁であるオーストラリアのグレートバリアリーフで起こったり、約三年前に国内最大のサンゴ礁である沖縄県の石西礁湖で起こったりしています。
 サンゴの白化現象とは、海水温の上昇や海水の汚染などのストレスを受けて、サンゴと共生している緑色や茶色の色素を持つ褐虫藻が大幅に減少することで、サンゴの本来の骨格の色が透けて見え、白色に変わったように見える現象のことです。サンゴは白化してもしばらくは生きていますが、褐虫藻が光合成で作り出す栄養が得られなくなるため、この状態が長く続くと死んでしまいます。
 サンゴの白化現象の原因となるのが海水温の上昇と海水の汚染です。その解決策として、海水温の上昇の原因となる地球温暖化を防止したり、海水の汚染の原因となる赤土や生活排水の流出を防止したりすることが必要です。また、これらの解決策に加え、サンゴの美しさを知ってもらい、現状を変えようと思う人を増やすことも大切です。なので、私は家族や友達などの身近な人から伝えていこうと思いました。
 二つ目の問題点は、海洋ゴミです。今年の三月にフィリピンの海岸に打ち上げられたクジラの胃から四十キログラムのビニール袋が出てきたというニュースがありました。また、海に廃棄されて幽霊のように漂っている「ゴーストネット」と呼ばれる漁網にアシカやイルカ、ウミガメがひっかかって動けなくなったり、呼吸ができなくなったりして溺死しているというニュースもありました。海洋ゴミの二割は捨てられた漁具や事故に遭った貨物船など、海由来のものです。しかし、海洋ゴミの八割は街から来ています。街でポイ捨てされたビニール袋やペットボトルが雨や風で川に入り、川から海へと流れ込むことで、直接海に捨てていなくても海に影響をもたらしています。そのような海洋ゴミの中でも特に問題視されているのがプラスチックゴミです。手軽で耐久性もあるプラスチックは、安価で生産できますが、自然分解されないというデメリットがあります。そのため、世界の海には一億五千万トンものプラスチックゴミが存在し、現在も年間八百万トンが新たに流入しています。一年間で海に流出したプラスチックゴミの量を調べると、海に面する百九十二の国や地域のうち、日本は三十位、先進国では二十位のアメリカに次ぐ二番目の多さであることがわかっています。
 プラスチックゴミが増える原因となっているのが、大量に使用されているビニール袋やペットボトル、ストローです。ビニール袋の量を減らすために買い物に行くときはマイバッグを持って行くことやペットボトルの量を減らすためにリサイクルをしたらその分をお金で還元する制度を作ること、ストローの量を減らすために素材を紙に変更することなどがプラスチックゴミ削減につながります。しかし、私が最も重要な解決策だと思うのは、ポイ捨てを減らすことです。ポイ捨てをしている人たちはポイ捨てによって海洋ゴミが増えているという現状を知らないと思います。私も最初は知りませんでした。したがって、多くの人にこの実態を知ってもらい、また、今よりも海洋ゴミを増やさないために街の道路や川の中の掃除もしていくべきだと思いました。
 今回の二つの問題点には、人の責任で海洋生物に迷惑をかけているという共通点があります。そういう訳なので、人の意識を変えていき、「海洋生物と人が共生できる環境」を作っていきたいです。地球温暖化は人にだけ影響があると思っていましたが、海洋生物にも影響があるとわかったので、地球温暖化の進行を緩めるように努力するべきだと思いました。

2019年12月01日