佳作 田舎の思い出

帝塚山中学校 1年 田村 日菜

私は毎年お盆休みに愛媛県の伊方町という所に家族と行っています。そこには、ひいおばあちゃんの家が残っており何日も泊まれるのでとても行きやすいです。ひいおばあちゃんの家はすごく田舎で、スーパーマーケットも片道二十分かかります。コンビニはもっとありません。それぐらい田舎なのでいつもは体験できない事がたくさんできます。
 私は奈良県にはない海に行くのが愛媛の一番の楽しみです。愛媛には毎年車で行っていてとても時間がかかります。片道六時間なので朝四時に起きて出発します。車での長時間の移動は、学年があがるごとにつらくなってきました。それでも大鳴門橋を通る時にみえる海をみるととてもワクワクしてきます。それからの道のりはとても長いですが、自分の住んでいる所では見た事のない田舎の景色を見ながらドライブしているのも楽しいです。
 ひいおばあちゃんの家に着くとおばあちゃんとおじいちゃんが出迎えてくれます。おばあちゃん達は先に家に行ってそうじをして待っていてくれます。家につくと早速、お父さんとお兄ちゃんと小さい波止場へ釣りをしに行きます。調子の良いときはアジが釣れますが普段はガシラやカワハギなどが釣れます。あとは、小さいイシダイやベラなど食べられない魚も釣れます。本当に調子が悪いときは何も釣れません。となりで釣りをしていた人たちがタコを釣ったときは本当におどろきました。食べられる魚を釣ったときは家に持って帰ります。食べられない魚は海にかえします。なかなか休みがないお父さん達と釣りをするのは本当に楽しいです。小さいときは、釣りをするのがこわくてみているだけでした。でも最近になってやっと一緒に楽しめるようになりました。毎回釣りはしなくてもお父さんについて行って良かったなと思いました。つまらなかった時間を有意義に使えるようになって本当に良かったです。
 少し前まではいとこ達とも一緒に愛媛に行っていました。いとこは二人いるのですが二人とも男の子で、お兄ちゃんと三人でいつも遊んでいるので私は女の子一人で少しつまらなかったです。でも、海へ泳ぎに行くとそんなの関係なく四人で楽しく遊べました。とても浅いときはテトラポットまで歩いて行ってサザエを探したり、ヤドカリもたまに見つけます。でも、テトラポットにのぼるといつも足にケガをして帰ってきます。お兄ちゃん達はクラゲにさされていました。とても田舎なので海はとてもきれいです。でもそのかわりクラゲが思ったよりたくさんいるのでおびえていました。波が少し大きいときは波のりをしています。少し沖のほうへ行くと上手く波のりができますが、波打ち際へ行きすぎると波にのまれてしまいます。でもそれはそれでスリルがあってとても楽しいです。二時間ぐらい海へ入った後はおやつを食べてから砂浜で遊びます。砂山をつくった後にそれを守るために周りに砂でかべをつくります。でも潮が満ちるとがんばってつくったかべもすぐに波に持っていかれます。もっていかれる度にお兄ちゃん達とつくりなおしていました。砂山づくりにあきるとお兄ちゃんを砂に埋めます。いとこと一緒にお兄ちゃんを埋めてそのまま走って逃げたときはとてもおもしろかったです。ぬけだしたお兄ちゃんは全速力でおいかけてきたのでそのまま鬼ごっこになりました。
 海で散々遊んだあとは亀ヶ池温泉という温泉へ行ってゆっくりくつろぎながら温泉へ入ります。日変わりの温泉があって二日連続で行っても楽しめます。温泉からあがったら冷えているジュースを買ってもらって、まんがコーナーでまんがを読んでから帰ります。午後四時ぐらいに海からあがっているので六時ぐらいには家について自分で釣った魚を食べます。それからは家族でたくさんゆったりします。一日海とふれ合って疲れた身体をいやせます。毎年二泊三日で行っているのでこの一日の流れを二回くり返します。三日目は午前中、砂浜を歩いたり貝殻を探したりしてそのまま帰ります。お土産を選んでいるときはもう海で遊べないのだなと切なくなります。お土産を買った後はもう愛媛で車を降りる事がないのですごく気持ちが下がります。小さい頃は帰りの車でいつも泣いていました。帰りの車の中では寝ることが少ないのでずっと窓の外をみています。行く途中にみつけたおなじお店などを探したり、海が見えたら写真をとったりなんとか愛媛の景色を残そうとがんばっていました。
 愛媛は一年に一回しか行かないので海に入るのも一年に一回だけです。プールとは全然違う楽しさとスリルがあって、私は本当に海が大好きです。その中でも私は愛媛の海が大好きです。沖縄の海にも入ったことがありますがやっぱり私は自然がたくさんで一番の思い出をつくってくれる愛媛の海が大好きです。

2019年12月01日