高槻中学校 2年 京谷 凪敏
僕の趣味は釣りなのですが、それについての記事などをネットで読んでいると、またに、「生きた魚を騙し、針を引っかけて、それを引きずり回して楽しんだり、釣るだけ釣ってあとは逃がすのは動物虐待だ」などと主張する人がいます。それについて、僕は、「動物虐待になる釣り」と「動物虐待でない釣り」があると考えます。
釣りには、キャッチアンドイート(釣った魚を食べること)とキャッチアンドリリース(釣った魚を逃がすこと)というものがあります。一見すると、魚を殺さないキャッチアンドリリースの方が魚にとっていいようにも見えますが、僕はできればキャッチアンドイートをしたほうがいい(もちろん、食べられない魚や稚魚が釣れた時はリリースしたほうがいい)と思うのです。これは、僕の考える「動物虐待でない釣り」です。
キャッチアンドリリースをすると、逃した時は生きていても時間が経てば死んでしまう魚がときどきいるし、釣って逃がすだけというのは、魚へのダメージを気に留めず、ただの魚の引きを味わうためだけにすることだと思います。これは動物虐待にはならないかもしれませんが、それに近いものがあるような気がします。たしかに魚の引きを楽しむというのは釣りの醍醐味とも言えるところですが、釣った魚を食べるまでが釣りであって、その方がリリースした時よりも魚の命を尊重することができます。
しかし、キャッチアンドリリースよりも酷いものがあります。次に話すのは、「動物虐待になる釣り」です。
見かけることは少ないですが、時々釣り場で、釣った魚を放置したままにして殺したり、殺してから海に捨てる人がいます。これらの魚は、主に「外道」と呼ばれる、釣り人が本来釣ろうとしていた魚とは違う魚です。一回だけその現場を目撃したことがあります。
年配の人(以後Aさん)で、ウキと、一本~数本の鈎の上か下にオキアミを入れた小さなカゴをつけ、遠投して魚を釣る「カゴ釣り」というのをやっていました。Aさんの本命はマダイなのですが、偶然、ハコフグがかかりました。「大きなハコフグだなあ」と思って見ていると、Aさんは後ろに、釣れたハコフグを置いて釣りを再開したのです。初めて見る光景だったので、疑問に思い、Aさんに、
「このハコフグはどうされるんですか。」
と質問すると、
「食べる?」
と聞き返されたので、
「いや、食べませんけど。」
と答えると、Aさんは、
「やろ?」
と言い、瀕死になったハコフグには目もくれずに、そのまま釣りを続けていました。ハコフグはその後僕がこっそりリリースしましたが、Aさんはその後も、ニザダイという外道の魚を放置して、死んでから海に放り投げていました。なぜ外道の魚を放置して殺すのかは言われませんでしたが、友達によると、そういうことをする大半の理由は、「また自分の仕掛けに食いついてきたら困るから」だそうです。外道の魚なんて星の数ほどいるので、連れた外道を殺した所で本命が釣れやすくなるということはないのですが、自分本位な一部の釣り人の勝手な都合によって、まだ生きられたはずの魚の命が奪われるのです。干からびて死んでいる魚を目にする度に、心が痛みます。そんなことをする「外道」な釣り人には、竿を持ってほしくありません。
全ての釣り人に共通する当たり前なことですが、釣りをするときは、まずはどんな魚にも命があり、平等に尊重するべきということを、少しでも意識していただきたいです。