銅賞 養殖漁業の工夫と大切さ

高槻市立川西中学校 3年 宮城 海正

 みなさんは養殖魚は知っていますか。スーパーマーケットなどで養殖うなぎや養殖まぐろなどをよく見かけます。このようないけすで大きく成長させてから出荷する養殖漁業といいます。
 1980年までは「とる漁業」が中心でした。しかし近年は海の環境の変化や取りすぎなどの乱獲のために漁獲量が減少しました。この反省から生まれたのが養殖漁業や栽培漁業なのです。今回はこの養殖漁業の中でもフルーツ魚に注目してみました。
 僕がフルーツ魚に出会ったのは家族と一緒に回転寿司に行ったときです。僕はあまり生魚が好きではありません。しかし、僕はメニューを見て、びっくりしたのが”みかんブリ”です。食べてみると本当にみかんの味がしてとてもびっくりしました。僕はなぜぶりの魚からみかんの味がするのか調べてみました。
 みかんブリを考案したのは愛媛県水産研究センターです。その育て方はブリ出荷前の1カ月半の間、伊予柑などの搾りかすを粉末にして、ブリのエサとしてブリに与えます。するとブリの味からかんきつ類の香りがします。また、かんきつ類を入れることでブリの香りや味もよくなり、魚嫌いな人が指摘する魚臭さを抑えるそうです。さらに切り身にした後の鮮度も長持ちし、色も落ちにくいそうです。
 みかんブリ以外にも鮎と合わせた柑味鮎やすだちとブリをあわせたすだちぶり、はまちとレモンはまちなどもあります。しかし、最近、フルーツを使わないあるスイーツを使った養殖魚が生まれました。それはチョコをえさとするチョコブリです。人間が食べるチョコを魚が食べるようになりました。なぜチョコレートがえさにされたのか調べてみました。すると、みかんと同じように鮮度を保つことができるそうです。
 チョコレートにはカカオポリフェノールがふくまれています。このカカオポリフェノールには抗酸化作用があり、これによって切り身の鮮度や色を5日間維持することができるそうです。味はみかんのとは異なり、味はブリの味がして、チョコの香りや味はしないそうです。
 このように日本では育てる漁業は様々な方法で私たちの食卓においしい魚が届けられています。しかし、「とる漁業」では前文のように漁獲量が減っています。なぜ、減ってしまったのでしょうか。
 それは各国に排他的経済水域が設定され、漁獲量を制限されたからです。
 排他的経済水域とは各国の領海の外側にあり、沿岸から二〇〇海里以内の水域のことです。また、沿岸国に天然資源の開発・管理などについての主権的権利や海洋汚染規制などの権限が認められています。ではなぜ排他的経済水域は設定されたのでしょうか。
 それは僕たちが魚達に乱獲をしていたからです。海の生き物は森の木達と同じです。たくさんの木をあるだけばっさいすると木は減少します。また、小さな木もばっさいすると大きくなる木がなくなります。魚も一緒であるだけとると当然、魚は海からいなくなります。また小さな稚魚などもつかまえると大きくなる魚がいなくなり、絶滅します。しかしながら、僕は最近までこのようなことをしていたのです。もし、排他的経済水域が設定されていなかったら乱獲が各国で行われ、やがて、魚がとれなくなり、ついには食料不足になっていたかもしれません。
 日本ではこのようなことにならないようにさまざまな工夫をしています。一つ目は魚のとってもいいよという日、「解禁日」を制定することです。これを制定することで、まだ大きくなっていない稚魚たちをとらずにすみ、おいしい時期に僕たちが食べれるようになり一石二鳥です。二つ目は網の目を大きくすることです。網とは、魚を海から水揚げするときに使われる網です。この網の目を大きくすることで小さな魚を捕まえずに済むのです。他にも「育てる漁業」を活性化させたりするのも工夫だと思います。そして、僕たちにできることそれは、魚を大切に食べ、無だのないように食べることです。これは魚に限らず、どの食品でも言えることです。
 このようにちょっとしたことでもやることで海はきれいになります。僕たちの生活の仕方などで、海の魚の環境は上下するのです。
 僕たち、そして魚たちも気持ちよくできるそんな環境をつくりあげることが大事だと思います。

2019年12月01日