吹田市立第一中学校 3年 藤田 皐聖
現在、ニュースや番組などではコロナウイルスの話題でもちきりだ。しかし番組内で触れられているのは感染者数や症状がほとんどで、環境については少ない。そこであまり耳にしない、コロナウイルスの海への影響を調べることにした。
まず、一番大きく取りあげられているのは海水浴場だ。多くの場所が閉鎖されており、中には「遊泳は自己責任です」と書かれた看板もあるくらいだ。そこではコロナ拡大予防のため、ガードマンやライフセーバーは例年の半分ほどの人数しか配置されていない。それにより、海岸では禁止されているはずのバーベキューや飲酒をする人もおり、ガードマンがいない時間帯には「無法地帯化」してしまうこともあるそうだ。
次に、ごみについてだ。ここ数ヶ月で一気に需要が増えたマスクや手袋などのいわゆる「コロナごみ」が世界各地の海で見つかっていることが分かった。日本では、以前は一日の清掃でマスク一枚が見つかる程度だったのが、今は一日に十五枚ほどに増え、雨が降った翌日はさらに多く流れ着いている。こうした中、世界各地で植物由来のマスクの開発が進められている。もし、人々が簡単に手に入れられるものになれば、海に流れてしまったとしても微生物によって分解されるため、環境汚染につながりにくいことにより、期待がとても高まっている。
次に、水産業についてだ。ロックダウンやレストランの営業停止によって、簡単に保存ができるマグロの缶詰、冷凍の魚といった食料品の需要が高まった。これにより、漁師や水産業者が大打撃を受けた。中には、収入が全く無くなってしまった人もいるそうだ。そんな人達を助けるため、国は支援策として給付金を給付することを発表したが、漁師からは「足りない」という声が寄せられている。
最後に、魚についてだ。北京の市場において、サーモンを切ったまな板の表面を検査したところ、陽性反応が出た。これにより、サーモンが感染していたのではないかという議論を呼んでいる。しかし専門家によると、コロナに汚染された食物から人に伝染する可能性は極めて低く、そもそも変温動物が感染した例が無いため、その仮説は正しくない、と否定されているようだ。
私はコロナウイルスによる、海の実態を知ることができた。今回取り上げた四つの問題のうち、二つは人々の努力によって解決することができるものだ。海水浴場のルールを守り、コロナごみをポイ捨てせずに持ち帰る。たったこの二つだけで世界は大きく変わる。ただ、水産業に関しては政府が動かない限りどうすることもできない。だからと言って何もできないというわけでもない。事実を深く知り、人に伝えることはとても大切だ。水産業の現状を知ってもらう、それだけで何かが変わると私は思う。サーモンが感染したというニュースを聞いて、買うことをためらった人もいるだろう。しかし、後に専門家によって感染は否定されている。上辺だけで物事を知るのではなく、その本質を見抜くことが必要なのだ。私はこの広大な海を守るために、海に対しての意識を変えて、行動していこうと思った。