帝塚山中学校 1年 岩倉 歩志
ぼくは海洋プラスチック問題について書こうと思います。なぜならG20大阪サミットの主要テーマの一つに海洋プラスチック問題について話し合われていて、興味を持ったからです。
まずは海洋プラスチック問題とは何なのかを説明します。手軽で耐久性に富み安価に生産できるプラスチックの多くは「使い捨て」されています。なので、利用後はきちんと処理されず、環境中に流出してしまったプラスチックのほとんどが最終的に行きつく場所が「海」です。そしてこのプラスチックが海にたまったり、魚が食べてしまったりと、海に悪影響を与えることを海洋プラスチック問題といいます。
既に世界の海に存在しているといわれているプラスチックごみは、合計で一億五千万トンです。さらに年間八百万トンものプラスチックごみが、新たに流出していると推定されています。こうした大量のプラスチックごみは海の生態系に影響を与えています。このままでは、今後ますます悪化していくことになります。
例えば海洋ごみの影響により、海ガメがひもにからまっていて、動くことができなくなったり、クジラの中から大量のプラスチックが出てきたりと、海の生物が傷つけられたり死んでしまったりしています。
このようにプラスチックごみは海の生物に被害を与えています。しかし、プラスチックごみをなくしたいと思っても、簡単に自然分解されず、多くが数百年間以上もの間、残り続けてしまいます。
これらのプラスチックごみの多くは、例えば海岸での波でけずられたり、紫外線などの影響を受けるなどして、小さなプラスチックの粒子となり、五mm以下になったものをマイクロプラスチックといいます。このマイクロプラスチックは世界中の海に存在しており、これを海の生き物が食べてしまっているのです。マイクロプラスチックは、日本でも洗顔料や歯磨き粉にスクラブ剤として広く使われているマイクロビーズや、プラスチックの原料として使用されるレジンペレットの流出などによっても発生しています。マイクロプラスチックは食物連鎖を通じて多くの生物に取り込まれています。これを人間が食べると具体的にどのような影響を及ぼすのかは明らかにされていませんが、本来自然界に存在することがない物質が広く生物の体内に取り込まれた結果は、楽観視することは許されることではないと思います。
現在、海へ流入しているプラスチックごみは、アジア諸国からの発生によるものが八十二%を占めるとされています。二千五十年にはプラスチック生産量は4倍となるとされていて、生きている魚の量を海洋プラスチックごみが上回るとされています。このままいくと地球温暖化も進んでしまうので、何らかの対策をとったほうがよいと思いました。
日本のプラスチックの生産量は世界第三位でレジ袋を一人当たり一日約一枚のペースで消費され、ペットボトルの国内年間出荷は二百二十七億トンもの量を消費しています。また、日本近海でのマイクロプラスチックの濃度は、世界平均の二十七倍もあります。
海洋プラスチック問題を解決するためには法律の整備に基づいた生産・使用削減やリサイクルシステムの改良などが重要な手立てになるが、日本はそうした政策面での改善は、遅れを取っています。
ぼくは海洋プラスチック問題を解決するために必要だと思うことは、リデュース、リユース、リサイクルを徹底したり、レジ袋を使うのではなく、マイバックを使うなどして、一人一人がプラスチックの減量を手伝うことが、私たちができることなのではないかと思います。