佳作 漂着物と浜辺の宝石

吹田市立第一中学校 1年 土井 沙耶香

 私は六年生の時に臨海学習で海に行ったことがあります。海を泳ぎ切ることが出来て、砂浜で休んでいると、少し離れたところで何人かが必死に何かを探しているのを見ました。私は何を探しているのか気になり、その中に混じっていた友達に
「何を探しているの?」
と聞いてみると、
「シーグラスを探しているんだよ。」
と教えてくれました。しかし私は、『シーグラス』というものを知りませんでした。そこで、友達にちょうど今拾ってきたというシーグラスを見せてもらいました。
 そのシーグラスはまるで晴れた日の空のような透き通った水色で、触ってみると滑らかで、とてもきれいでした。それを見て、私も自分でシーグラスを探してみたいと思い、自分の周りを探してみました。すると、友達に見せてもらったシーグラスより、色が少し濃くなったシーグラスと、真っ白なシーグラスを見つけました。私はうれしくなり、2つのシーグラスを持って帰ることにしました。
 楽しかった臨海学校が終わり、思い出に浸っていたある日、私は家族と沖縄の海に行きました。沖縄の海は太陽の光を反射して、とてもきれいでした。ここにも、砂浜でところどころにシーグラスが落ちていました。しかし、臨海学校の時に拾った水色や白色ではなく、茶色や緑色のシーグラスが落ちていました。
 家に帰った後、そもそもシーグラスは何で出来ているのか、なぜ様々な色があるのか、ふと疑問が浮かびました。
 調べてみると、シーグラスは私たち人間が海に捨てたびんやガラスのかけらでできていることが分かりました。そして長い年月をかけて波で少しずつ削られ、今のシーグラスになります。そうなると、様々な色のシーグラスがあるのは、その元となるガラスの色がそれぞれ違うからだということが分かります。それと同時にシーグラスが滑らかな理由も自分で気づき、私は心の中で納得しました。
 シーグラスはどうやって出来るのか理解できました。しかし、シーグラスはあまり自然には良くないと思います。なぜなら、前に述べたように、シーグラスは人間が海にガラスやびんを投げこんで出来るからです。
 そのため、海をきれいにすることを目的とした取り組みやイベントがいくつかあります。その中で、「ビーチマネー」という、シーグラスをお店で渡すとお金として払えるという地域通貨があります。シーグラスの中でも珍しい色の方が価値が高くなります。このようにみんながシーグラスを拾いたくなるよう、工夫して目的を達成しようと、いろいろな取り組みが行われています。
 シーグラスは、「浜辺の宝石」とも呼ばれています。きっと透き通ったきれいな色をしているからだと思います。しかし私は、「浜辺の宝石」は漂着物と同じだと思います。シーグラスだけではなく、浜辺に人間が捨てたものが落ちているのは良くないことだと、改めて思います。

2020年12月02日