佳作 ウミガメから考える海のこと。

吹田市立第一中学校3年 上田 莉里

 海にはたくさんの生き物がいる。魚はもちろん、ペンギン、アザラシ、ラッコ、ウミヘビ…。どれも綺麗な見た目をしていたり、可愛かったり、時には毒を持っていたりする。私はそんな海洋生物達の中の一種、ウミガメについてある話を聞いた。それはウミガメの産卵において必要不可欠な砂浜が減少、悪化していて数が減っている、という話だった。
 まず今現在、ウミガメは個体数がとても減少していて、世界に分布している全てのウミガメがIUCNのレッドリストに掲載されている。ウミガメは繁殖期に入ると沿岸域から砂浜近くの海岸へ移動し、卵を約百個ちかく産む。しかしその砂浜が地球温暖化により海面が上昇し減少しており、また砂浜の悪化の例として人による砂の踏み固めや温暖化による砂浜温度の上昇などがある。砂浜の温度が上がると、砂浜の温度で生まれる性別が決まるウミガメは性別にとても偏りがでてしまい個体数の減少に繋がるのだ。
 さらに、ウミガメの個体数が減っている理由は他にも挙げられる。砂浜で人間による卵の捕獲、孵化した子ガメの多くがカニやキツネ、鳥などに食べられる。誤って漁網にかかってしまう混獲、ツアーや観光のための防波堤やホテルの建造など、数えきれないほどある。この中で一つ私が着目したのは海のゴミなどの影響による減少の問題だ。
 海ではゴミを海に捨てる行為により汚染が進んでいて、ウミガメが捨てられたプラスチックゴミを食べて死んでしまうということが起きている。この問題に着目した理由として日本でもレジ袋が有料化になるなど、とても身近な問題だと感じたからだ。まず私は海に人間が勝手に捨てたゴミでウミガメが死んでいってしまう、ということがあってはならないことだと思う。ウミガメからしたらたまったものではないはずだ。そこでこのウミガメだけでなく他の生物や生態系にも影響をあたえる海洋ゴミについてできることを調べた。その一例として、すぐ実践できる「3R」というものがある。3Rは、リユース・リデュース・リサイクルの三つの行動の総称であり、使用する資源の量を少なくする、製品の再利用など日常においても活用できるものが多い。最近よく使われるエコバッグやマイボトルの使用などもその内の一つである。
 たまたま聞いたウミガメのニュースから、今起きているゴミの問題や、それによる生物への影響についてとても詳しく知ることができた。この話ででてきたウミガメはもちろん、その他の生物の絶滅を防ぐためにも、少し自分にできる事を考え、動くことが私達にできる何よりの対策だと私は考える。

2021年12月19日