佳作 海を守るために

近畿大学附属和歌山中学校2年 小畑 優衣

 私は、生まれてからずっと和歌山で過ごしています。
 和歌山は、山と海にかこまれていて、きれいな川も流れています。私が住んでいる和歌山市は、北には和泉山脈、南には小高い山がいくつかあり、市内の中心には紀ノ川が、東から西に向けて流れています。本当に美しくて、きれいな自然に囲まれているなぁと思います。
 日々の生活の中で、紀ノ川の川の流れや、様子の変化に気付く時があります。例えば、雨が降った時は、流れが速くなったり、水の色が変わったりするのを見たりして、身近な所で自然の変化を知るようになっています。
 中学校に入学してから、SDGsの事を学ぶようになり、その中の海の環境問題についてよく学んでいます。その問題の活動で、海に海洋ゴミを拾いに行きました。実際に行ってみると、結構多くのゴミが落ちていて驚きました。拾ったゴミの中には、紀ノ川からのゴミや、色んな所から流れついたゴミが含まれています。それらのゴミは、海洋環境に大きな影響を及ぼしています。日々のくらしの中のゴミが、海へとたどり着いているかもしれないと考えるようになりました。
 海洋ゴミの7~8割は、街から出ていると言われています。ポイ捨てなどの故意に捨てられるゴミや、日常のゴミ収集の時のゴミもあると気づきました。ゴミ集積場には、カラス除けに網をつけたり、袋をきちんとくくったりしている所がありますが、そのような場所とは対照的に、ゴミ袋をきちんとしばらなかったりして、ゴミが散らばってしまい、そのゴミが下水道や、排水口などを通り、海に自然と流れ出てしまい、海洋ゴミとして海に影響を及ぼしています。
 ほんの一つ、この一つ、これくらいなら捨ててもいいだろう、そのような心が大きくなり、ゴミがつみかさなり海を汚してしまい、海の生物や環境を悪くしてしまっているのです。
 私は、学校で海へゴミを拾いに行った時にたくさんのいろいろなプラスチックゴミを見ました。拾うことができるのは、目に見えるような大きいものですが、実際魚が食べてしまっているマイクロプラスチックは、小さくて、見つけられません。また、プラスチックゴミは、2050年には、魚の量より多くなってしまうと言われています。
 どのマイクロプラスチックゴミを食べた動物プランクトンを魚が食べ、その魚が私たちが普段食べている魚なのです。魚には、添加剤というものが吸収されています。そういった魚を私たちが食べてしまっているため、出生率の低下などにつながる生殖系に影響が出ています。また体に必要なビタミンや、代謝に必要な成分が攻撃されて、免疫力が下がってしまっています。結局、私たちのしている行動が、自分達に影響を及ぼしているのです。
 そんな海洋ゴミは、毎年800万トン、ジェット機5万機分に相当しているそうです。そんなゴミを少しでも減らせるように、レジ袋をエコバッグに変えるようにするとか、ストローを紙製にしたりすることが、取り組まれています。
 また、物があふれている世の中ですが、誰でもできる3Rのリデュース・リユース・リサイクルの取り組みも、ゴミを減らす取り組みとしてとても重要だと思います。
 私は、家の周りのゴミ、身の周りのゴミを拾ったりすることが大切な事だと考えます。そこから、大きくなって海や、自分の周りのゴミだけでなく関係のないゴミもきちんと拾うことで減らせると思いました。
 小さなゴミでも、大きなゴミでも知らないから拾わないじゃなくて、落ちているから拾おうという心にしたいと思いました。
 これからは、周りの人もそのような行動を実行してくれたら、ゴミを少しでも減らすことができると思います。

2021年12月19日