佳作 遠いけど近い海

京都市立洛南中学校3年 澤野 亜希

 私は、これまでに、何回か、海に行ったことがあります。初めて海に行ったのは小学生の時でした。その時に「海ってすごくキレイなんだ!!」と感動したのを今でも覚えています。その時に見た海は、とても澄んでいました。「海は、世界中のどこで見てもキレイだ」と思っていました。
 中学二年生の家庭科の授業で、発表に向けて私は容器包装のゴミについて調べました。容器包装の種類や排出量などを調べていました。そんな中、目に留まったのは、農林水産省がまとめた「食品産業におけるプラスチック資源循環をめぐる事情」でした。そして、それを読んでいく内に、プラスチックゴミが漂着していることや日本では陸上から海洋に流出したプラスチックゴミが年間二t~六tで、世界で三十番目に多いことが分かりました。私はこれを知って驚きました。そして、ショックでした。小学生の時に、キレイだと思った海。私が知らない間に汚れてしまっていました。私は、この現状をより多くの人に知ってもらいたくて発表にこの内容を入れることにしました。班の中での発表でしたが、現状を伝えることができました。
 家庭科の発表を終え、中学三年生の夏休み。海について調べている時に家庭科の発表を思い出しました。もう一度、海の現状について調べてみました。ですが、まだ、多くのプラスチックゴミが漂着していることが分かりました。そこで家庭科の発表ではあまり調べていなかったプラスチックゴミの対策を調べることにしました。日本は「第四次循環型社会形成推進基本計画」と「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」を、主軸として、対策に取り組んでいることが分かりました。「第四次循環型社会形成推進基本計画」は、二〇二五年までに国が講ずるべきだとされています。「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」はプラスチックの有効利用を前提としつつ、海洋の新たな汚染を生み出さないため、取り組みを徹底していくというプランです。国の対策について調べてみましたが、もっと身近に感じることはないかなと思い、一般人が行っていることも調べてみました。
 調べていると海ゴミアーティストのあやおさんを見つけました。あやおさんは美しい地球で生きていく事が夢で環境活動家のレオナルド・デカプリオさんにアートを買ってもうことを目標としております。あやおさんは、海のゴミだけで色々な海の生き物をつくっておられます。海のゴミを組み合わせて生き物をつくるために、海でゴミを拾うところからされています。私はこの活動を知って海を大切にしたいというあやおさんの強い気持ちが伝わってきました。海からのゴミを拾い、それをアートにすることは、一石二鳥だなと感じました。
 また、京都に斗々屋というお店があることを知りました。斗々屋は使い捨て包装を使用しないお店です。納豆やひじき、お惣菜などおよそ七〇〇品目を使い捨て包装を使用せずにお売りになっています。容器がないので最先端の量り売りテクノロジーを駆使しておられます。私はこれを知ってこの取り組みが、全国に広まってほしいと思いました。私が家庭科で調べた時に、容器包装は、プラスチックゴミの中でも七割を占めているため、斗々屋のようなお店が広まれば、容器包装は少しでも減ると思ったからです。
 私は、海のプラスチックゴミ問題について色々調べてみて、私が住んでいる場所は海から遠いけど身近な存在であることに気づくことができました。海から遠くても捨てたゴミが川や風などを通じて海に行き、海が汚れてしまうことも気づくことができました。プラスチックゴミを減らすためにも、ゴミの分別や、エコバッグの持参など、自分にできることから取り組んでいこうと思いました。小学生の時に見た、キレイな海。これからはその海を守るために自分から行動をしていきたいです。また、これを一人一人が心がけることで、キレイで澄んだ海を守り、保つことにつながると考えています。


2022年12月09日