佳作 生き物一匹の持つすごさ

関西創価中学校1年 田中 広城

 ある日、理科の授業で、班で生き物を調べ、その生き物をプレゼンするという事があった。僕達は、悩んだ末、テッポウエビを紹介することになった。テッポウエビは、体長5センチメートルで、暖流の影響が強い地域に生息する生き物だそうだ。ハゼのふんや魚の残った餌を食べ物にし、3年間の、比較的短い一生を過ごす生き物だ。しかし、テッポウエビには面白い特徴が、いくつもあるのだ。
 一つ目は、ハゼとの共生だ。テッポウエビは、巣穴の製作や修理、保全を行っている。しかし、テッポウエビは視力が悪いため、敵が近づいて来ても、気付けない場合があるのだ。そこで、敵が近づいて来た時、すぐに反応するハゼが活躍する。危険を伝える方法も面白く、テッポウエビの長い触手がハゼの体に巻き付くことで、行う。
 2つ目は、衝撃波だ。テッポウエビは、左右不対象のハサミを持っている。さらに、大きい方のハサミで、作り出す衝撃波の爆発音は、二百十デシベルにも達する。二百十デシベルがどれくらいかというと、簡単に言えば、人が死に及ぶ可能性のあるということだ。この衝撃波を使い、獲物をなんと、気絶させ、食べ物を得ているらしい。
 また、この音を鳴らす時、崩壊する水泡の温度は、あの太陽の表面温度に近い四千四百度にも達するそうだ。さらに、高温の影響により、水の分子は、水素と酸素に分離した、プラズマ状態になり、発光までするそうだ。
 こんな怖い生物、食べようとも思えないが、実は売られており、美味しいという。これらのことを知って、僕は、テッポウエビを餌にするなんて、僕は、こんな危険な生物に近づくメリットがあるのだろうかと思った。
 さらに、自分でテッポウエビについて、色々調べてみたら、ものすごいものがあった。それは、テッポウエビがクワガタやイスラエルゴーテンというさそりを一瞬で倒したという結果だ。プラズマで削るといった仕組みらしい。また、水の浄化などもあった。水素と酸素の分離で行うらしい。
 たくさんの生き物から、たくさんのアイデアをもらい、それを生かしていく。そうやって技術が進化し今に至る。例えば、シンガポールで、「カエデドローン」というカエデ種の落下からアイデアをもらったドローンが生まれた。風力発電のタービンは、クジラの胸びれから、新幹線は、カワセミや、フクロウからなど、今となっては当たり前に存在するものも、たくさんの生き物からたくさんの知恵をもらって存在する。僕は初めて知ったので、ものすごく驚いた。
 僕達は、テッポウエビ以上に、たくさんの生物や、自然に支えられている。もちろん海もそのうちの一つだ。しかし、今、支えられている僕達が生物や自然をきゅう地に追いやっている状況にある。こんなこと、あってはならない。僕達にできることはいくらでもある。僕達に必要不可欠な自然を、めんどくさいの一言で壊してしまうのは、どうかと思う。
 ごく一部の人達が、エコな活動を行ってもそれでは環境を守れるのにも、限りがある。でも、「これから!」ではなく、「今こそ!」と、一人一人が今の状況を自覚し、団結して立ち上がれば、環境問題も、改善できると思う。だからこそ、僕達が意識して行動すべきだと、僕は思う。


2022年12月09日