佳作 不思議な深海

大阪市立長吉六反中学校 3年 飯沼 梨々華

 海は、地球上の七十パーセントを占めています。しかし人間が航海を始めて数百年が経っているにも関わらず人類が海について把握しているのは、五パーセント程度と言われています。多くの船や飛行機が海で行方不明になり、その後発見されていません。また、深海にいると何かの音が聞こえたり、振動を感じたりしますが、それがどこから来るのかも分かっていないのです。そんな不思議な深海の世界を四つ紹介します。
一つ目はキューバの水中都市です。二〇〇〇年にキューバとカナダの共同探検隊が、キューバ近くの海の約二三〇〇フィート下にある水中都市を発見しました。しかし、その海で人類が潜ったことがあるのは四〇〇フィート(約一二二メートル)までで、謎が謎を呼びました。仮説では、その都市は地面のプレートの動きによってはるか遠くにある深海に押し込まれた可能性があるといわれています。カボ・デ・カン・アントニオの近くで海底の滑らかなブロックや幾何学的な形が発見されています。また、キューバの自然史博物館の研究者たちは、この発見に大変な関心を寄せています。博物館の報告書は、海の下に沈んだ島の伝承が残るマヤ族やユーカテコス族の古代の伝統の一部と一致していると指摘しています。
二つ目はバミューダトライアングルです。バミューダトライアングルは、最も長い間解明されていない秘密として多くの人に知られています。一九一八年以降、七五もの飛行機と何百もの船が行方不明となり悪魔の三角地帯と呼ばれています。
一九一八年、USSサイクロプスがここで消滅し、約三〇〇人の乗組員が消えました。一九四五年には、五人の海軍爆撃機のコンパスが作動を停止し、飛行機が行方不明となりました。そして彼らを助けるために送られた救助隊も消えてしまったのです。クリストファー・コロンブスも、奇妙な光と炎がこの海に衝突したとメモを残しており、毎年、飛行機約4機と約20台のヨットが行方不明となっています。これら現象の仮説として、激しい突風を引き起こす六角形の嵐の雲などがありますが、いまだ謎は続いているようです。
三つ目は、レプトセファルス幼生-海の蛇です。古代の物語に登場する海蛇の話は本当でしょうか?
科学者の中には、
「それらは実際には巨大なうなぎのようである。」
と言う人もいます。一九三〇年一月三十一日に、デーニアと呼ばれるデンマークの研究船は、南アフリカの海岸から一.八メートルを超える長さのうなぎの幼生を捕獲しました。一般的なうなぎの三インチの幼虫は成長しても一メートル程度なので、この発見は大変重要なものでした。三〇〇メートルの深海で捕獲されたこの幼生は、成長後には二十二メートルにもなると言われています。残念なことに、この幼生は波にさらわれてしまったそうですが、世間はまたレプトセファルスが登場することを、待ち望んでいると思われています。
四つ目は深海の光合成です。光合成とは、植物が光エネルギーを使って水と空気中の二酸化炭素から炭水化物を合成することです。光合成は水を分解する過程で生じた酸素を大気中に供給しています。二〇〇五年に研究チームは、海面から二四〇〇メートルの場所で、光合成によって生存している細菌を発見しました。この頑健な細菌は六六二°Fの水が噴出している通気口とそれを取り囲む、凍った水の間の非常に限定された範囲に住んでいました。小さな生物は、加熱された水によって生成された非常に薄暗い光を用いて光合成していました。それがどのようにして起こるかは未だに科学者にとって謎のままです。
本当にこれらのものが存在するというのならば、早く証拠が見てみたいです。


2023年12月07日