佳作 「海を綺麗にするために出来ること」

近畿大学附属和歌山中学校1年 伊庭 颯椛

 私は、和歌山市のSDGs活動で友ヶ島のゴミ拾いをしたことがきっかけでSDGsに興味を持ち、本やインターネットで調べようと思った。友ヶ島のゴミ拾いでは、プラゴミが思った以上に多く拾う事が大変だった。ペットボトルやバケツの破片などプラスチックが粉々になった物が多かった。
 もし、そのゴミを魚介類が食べるとどうなるのか、またその魚を食べると人体にも悪影響があるのではないかと考えるようになった。インターネットで調べた結果、人間が魚介類を通してプラスチックを食べても、プラスチックは排泄される。しかし、有害物質は体内に蓄積され、ガンの発生や免疫力低下を引き起こすと考えられている。それにプラスチックには「環境ホルモン」作用がある物質が含まれており、生殖能力低下などの作用を及ぼす可能性があるとされている。このことから、私はとても恐いと思った。
 SDGsの十七の約束の中で、私が最も大切だと思う事は、十二の『つくる責任つかう責任』だと思う。なぜなら、より良い物を作る事は大切だと思うが、それを使う我々消費者が簡単に物を捨ててしまうとゴミが増え環境悪染の原因になると思うからだ。安い物を購入するより、高くて丈夫な質の良い物を選び長く使い続ける事が大切になってくると思う。よく母から、「もったいない!最後まで使いなさい。」と言われてきたが、これまでは意味がわからないので聞き流していた。幼い時は、ただケチだから言っているのだと思っていたが、最後まで使い切る事の大切さや使う者の責任・環境問題への配慮だという事が、SDGsの問題を考えているとわかってきた。母にSDGsの宿題でわからない事があると「どうして?」と、質問する事が増えた。母も、学校で習った事がないのですぐに答える事ができなくて一緒に本を読んだり調べ教えてもらったり、逆に私の意見を言う事でお互いに環境問題について理解する事が出来たと思う。
 私が、海へのゴミを少なくするために今すぐ出来る事は、ペットボトルなどをポイ捨てしないで家に持ち帰りフタやラベルをはがしリサイクルする事、なるべくペットボトルの飲料水を購入しないで水筒を持ち歩く。外出先で出たゴミは家に持ち帰り、分別してゴミに出すという事だと思う。ゴミを減らすために余計な袋や包装紙などをもらわないようにする。マイバッグを持つなど色々工夫出来る事があると思った。
 資源や物は、無限にあるものではないので一度買った物を最後まで大切に使うようにして、リサイクル活動にも積極的に参加する事が大切だと思った。
 しかし、レジ袋やペットボトルを販売している会社などで働いている人の仕事がなくなり死活問題ではないかという意見もある。その事を考える上で大切な事は、プラスチックに変る容器や環境にやさしいプラスチックを使うという事で解決出来ると思う。プラスチックに変る容器は、自然の中で完全に分解できる堆肥化可能素材に代える、衣料メーカーはリサイクル可能な素材を使用するなどが出来ると思う。アウトドア製品専門の会社では、修理サービスを行っているところもある。衣類が擦り切れたとしても、捨てずにメーカーに修理してもらうという事が当たり前になれば消費者も企業も困らないと思う。
 又、手元にナイフやフォーク・スプーンなどのプラスチック用品があれば何回も繰り返して使う。使い終わったらリサイクルをする。
 プラスチックの袋はバイオプラスチックの物に代え、海藻や牛乳などの自然素材から食べられる物になれば容器として使用可能で食べられるのでゴミにもならなくて一石二鳥だと思う。企業側と消費側のどちらもが環境の事を考え、お互いに海の事を大切にする事で回り回って私達の体や環境が住みやすくなると思った。
 私は、海の作文を書くことで環境問題を身近に考える事ができたと思う。そして、試行錯誤を繰り返したプラスチック業界だからこそ、レジ袋を環境の優しい物に変え悪から善にし、地球を守るという目標に向けて皆で支え合いきれいな海にしていけたらと思った。


2022年12月09日