大阪市立文の里中学校3年 西田 大起
日本は島国である。だからこそ、外国よりも環境問題にしっかりと向き合わないといけない。近年問題になっている地球温暖化の問題も、影響を受けるのは海だ。僕は海がもたらす影響が、どれだけ大きなものかを知っている。
インドネシア、マナド島。ここは五年前旅行で訪れた際に、実際に見た海。たくさんの魚が浅瀬を泳ぎ回り、すみわたったきれいな水が日光をさんさんと照り返す。ここでは楽しく泳いだり、遊んだりしたことを覚えている。もちろん、たくさんの観光客がいて、そこは活気にあふれていた。
しかし、その翌年再び旅行で訪れると、景色が一変していた。プラスチックのゴミが海面を漂い、砂浜にはたくさんのペットボトルやビニール袋。前年には浅瀬で泳いでいたたくさんの魚も、数が減ってしまい、何か寂しげな感じがしていた。観光客の数は、ちょうど同じころ過去にないほど増加していた。つまり、観光客が増加したことに比例して、ポイ捨てなどの自然破壊行為も増加したのだった。少し離れたバリ島では、波ではなくゴミが毎回砂浜にうちよせられていると大きな話題になった。実際バリ島の観光客も、前年に比べて約百万人増加していた。
日本、沖縄。サンゴ礁が一面に広がる海が特徴的だ。僕も十年前に行ったことがある。海中で数十メートル先も、みとおすことができた感動的経験は、小さかった僕に何か熱いものをくれた。しかし、この海も今、環境破壊の影響を受けている。近年問題の地球温暖化による酸性雨が、この海に降り注ぐことにより、一面のサンゴ礁が死んでいっている。今やサンゴの墓場となってしまったのだ。
このような場所で、今の小さい子供たちが一生頭に残る経験や体験ができるというのだろうか。僕はできるとは思わない。しかしながら、このような問題が全国で、いや世界各地で起きているのが、現実である。日本でもこのような海洋汚染が、毎年数百件報告されている。
インドネシアも、日本と同じ島国である。この実際に僕が見たことは、新しい地域でいつ起こってもおかしくない。つまり、世界の誰もが他人事では済まされないのだ。このまま何の手立てもせずに「汚くなってしまった。」でいいのだろうか。「景観が、汚れてしまった。」でいいのだろうか。環境破壊が進む今、コロナ禍が私たちを襲っている。もしかすると、これは海からのメッセージかもしれない。観光客の外出自粛により一時的ではあるが、ポイ捨てなどの行為が減り、海が綺麗になっている。世界有数の島国である日本は海を率先して保護していき、外国を引っ張るような存在にならないといけないと思う。海を敵ではなく味方につけることで、水産物等のたくさんの恩恵を受けることだって可能である。海の可能性は無限なのだ。
一人一人が節度を守って、海を共有することが今の私たちにできる将来への最高のプレゼントなのだ。