佳作 枯れる海

京都市立洛南中学校3年 伊藤 直美

 私は、小さい頃から祖母の故郷である、石川県の皆月湾へ、毎年、夏休みに訪れています。海に接していない京都市に住んでいる私は、いつも真っ先に海へと向かい、きれいな海水に足をつけたり、どこまでも広がる海を見ては、心をはずませていました。しかし、近年、海岸に枯れた海藻が打ち上げられ、前のように、足をつけることも難しくなるような環境になってきました。中学校でSDGsについて調べた時に、近年、地球温暖化の影響で気温が上昇していることを知りました。これは、枯れた藻にも関係があるのかなと気になったので、調べてみることにしました。
 すると、日本の藻場は、二十年間で三割に当たる六万五千ヘクタールが消失したことが分かりました。これは、何が原因となっているのでしょうか。原因の一つと考えられているのが、やはり地球温暖化にともなう海水の水温の上昇でした。これは、海藻の成長が止まるだけでなく、温かい水温を好む南方系の魚やウニが活発化し、海藻を食べ尽くしていることを知りました。海藻を食べる魚やウニを駆除する取り組みも始まっているそうですが、まずは、地球温暖化の対策を考えることが大切だなと思いました。藻場の減少は、他にも埋立や化学物質の流入など、人間にも関わるものがあり、今の私にもできることはないか考えてみることにしました。
 環境に影響がない生活を目指すために、私が一番注目したのは、省エネルギーです。省エネルギーには、節電や節水、近場での自転車の使用、エコバックやマイボトルを持ち歩くなど、とても身近にできることがたくさんあります。これらの取り組みでも、環境への負荷を低減することができるので、環境を考えた生活を習慣化するために、意識して過ごしていきたいなと思います。
 このように、海は、私たちの生活と大いに関係していることが分かりました。今の環境をそのままにしていくと、いずれ海は枯れ、私たちの食にも影響が出てきます。現在、ミサイルなどでも、海は傷つけられているというニュースを目にします。海の生き物は、私たち人間と同じ、地球上に住む生物なので、便利な世の中で、ついつい私も、環境に影響が出てしまう生活をしてしまいがちですが、それによって、多くの生物を傷つけているということを考えて、生活を見直していきたいなと思います。


2022年12月09日