京都市立洛南中学校3年 松浦 実咲
私は海から遠く離れたところに住んでいる。しかし、ほとんど毎日のように海に関するものを目にする。例えば食事。日本は周囲を海で囲まれた海洋国家。昔から魚を捕る機会は多かったので魚を食べる習慣がある。現在の子供は魚を好まないともいわれるが、それは小さな頃から大人がしっかりと魚を食べる習慣をつけていないだけ。子供たちが今食べているものの影響は約三十年後に表れるといわれている。また、食べ物だけでなく他にも私たちと海が関わっているものがある。
それは国際輸送。方法はおもに二つある。一つ目は、海上貨物輸送。これは船で貨物を運ぶ方法。二つ目は航空貨物輸送。これは飛行機で貨物を運ぶ方法。それぞれ良い点と悪い点がある。まず海上貨物輸送は船で運ぶため大量に運ぶことができ、安い。また、航空貨物輸送と比べるとものの大きさや重量が制限されていない。一方で時間がかかるという悪い点もある。日本とヨーロッパ間だと一ヶ月程度はかかる。一方航空貨物輸送は飛行機で運ぶため「早い」ことが挙げられる。一日から一週間で世界中にモノを送ることができる。ただし運べるものの大きさや重量は制限され、かつ運賃が高くなっている。このように様々な方法があるが海もその手段の一つとして挙げられる。海があることによって昔から私たちは繋がることができたと思う。
ところで、これまでの話題と少し視点を変えてみようと思う。今までは海とモノの関わりだったが次は海自体を見ていこう。
まず、今の海の現状だ。最近は広告でもよくみるようになったが、世界的にも海洋汚染の問題が深刻になっている。人間が出したごみや排水などが原因となって、世界中の海で汚染が起きている。海洋汚染の問題は、ただ海が汚れることだけにとどまらない。海で暮らす生き物の住処が減ったり有害物質の影響を受けた海産物が人間の身体に入ったりするなど多方面に影響を及ぼす。
次に海洋汚染の原因だ。人間が出したごみが海に流れついたものを海洋ごみという。その中で特に問題となっているのがプラスチックごみだ。プラスチックごみは生ごみと違い自然には分解されない。外部からの衝撃などで小さくなることはあっても、完全にはなくならず数百年も消えずに存在し続けることもあるといわれている。そのため、ごみとして海などに流れ出るとそのまま溜まり続けてしまうのだ。プラスチックごみは海の生態系を壊してしまう。海の生き物がビニール袋などを食べ物と間違えて飲みこむケースが増えており、最悪の場合、体内に異物が溜まって死に至る。また、プラスチックを摂取した海の生き物を人間が捕獲して食べることによって人間の体内に入る可能性もある。海洋汚染の原因にはごみの排出だけでなく船舶やタンカーなどから漏れる油も含まれる。流出した油は広がり簡単に回収することはできない。工場排水も海洋汚染の原因になっている。水俣病やイタイイタイ病をはじめとする公害が起きたことにより、日本では工場排水への規制が強化された。工場排水は赤潮の原因にもなる。
海洋汚染防止のために私たちができることはたくさんある。例えばプラスチックごみを出さないようにする。海洋汚染の中でも海洋プラスチック問題が最も深刻だ。日頃から意識してプラスチックごみを出さないことが大切だ。他にも海や川のごみを拾ったり、ボランティアに参加することなども大切な取り組みの一つだ。
海洋汚染の原因を理解してできることから対策を始めるとよい。
私は海とは程遠い、無関係だと思っていたが遠いようで身近にあるのだと感じた。食べ物は勿論、モノの輸送や海自体について。私たちの日常はどこかで必ず海と関わっていると思う。今私にできることを考えて何か海と関われたらより身近に感じる。海と私。遠くにあるけど身近に感じることができてより関わってみたいと思えるようになった。