佳作 内航海運

長岡京市立 長岡中学校 1年 杉浦 文音

 まず始めに内航海運とは、国内貨物の海上運送の事です。国内の港と港を結んで「食料品」「日用品」「産業基礎資材や石油など」の貨物を運びます。暮らしと産業の発展に大きな役割を果たしてきた日本の大動脈です。一度に大量の貨物を長距離輸送する内航船は地球環境にやさしい輸送機関として、いま注目されています。また、阪神淡路大震災でも陸路を断たれた物資の緊急輸送に大いに活躍しました。内航海運には五千八十四の中小事業者、六千三百六十四隻の船舶、三万一千八百八十六(フェリーを含む)人の船員が従事してこれからも日本の経済を支えていきます。
 日本国内の貨物輸送には、内航海運を初めトラック、鉄道などが利用されています。このうち内航海運が運んでいる量は年間四億九千七百二十五万トンです。しかもその平均輸送距離は四百七十四キロメートルで、トラックの約八・二倍です。また、輸送機関別にみると、内航海運トンキロ(輸送量×輸送距離)ベースのシェアで、全体の約四割にも及んでいます。これは内航海運が長距離・大量輸送に適していることを示しています。(数値はいずれも二00二年度)
 内航海運の輸送する主な貨物をみると、石油製品・石灰石・原油などの非金属鉱物、鉄鋼などの金属、セメントなど窯業品、硫酸・ソーダなどの化学薬品、砂・砂利などの骨材、自動車などの機械、石炭などの八品目で輸送トンキロの八十二パーセントを占めています。このほかにも生鮮食料品や日用品も含めたあらゆる貨物を三百六十五日、二十四時間各地の港と港を結んで運び続けています。そしてこれらの貨物の品質を保ちながら、安全かつ効率的に運ぶため、各種の専用船が活躍しています。
 人命の安全と海洋汚染の防止対策は、国際条約で取り決められ、各国で国内法に組み入れられています。内航船にはこれに基づく諸設備が装備され、船内で発生する廃棄物は厳しい規則に基づいて処理されています。また、動突予防装置をはじめとするさまざまな安全設備や、船員の労働を軽減する各種自動化装置も取り入れられています。
 近年、世界的な規模で省エネルギーが大きな課題になっており、国内の貨物輸送でもエネルギー効率のよい輸送が問われています。内航海運は二00二年度に六千三百六十四隻の航船で四億九千七百二十五万の貨物を運んでいますが、一トンを一キロメートル運ぶのに必要なエネルギー消費量でみると、営業用トラックの五分の一という、効率のよさを誇っています。
 国内の貨物輸送の分野でも最近、トラックへの過度依存から、道路混雑や騒音はもちろん、二酸化炭素の排出に伴う地球温暖化などの環境問題が指摘されています。そこでトラックが運んでいる貨物の一部を内航海運鉄道に振り替えるモーダルシフトが拡大しています。エネルギーの効率がよく、『地球にやさしい内航海運』への期待がますます高まっています。
 内航船が運ぶ貨物はいろいろあります。加工されてきたさまざまな分野に使われている鉄鋼製品。国内海上輸送の中では主要な貨物です。本州四国連絡橋や東京湾横断道の橋脚部分なども大型デッキバージで海上輸送されます。また、海底トンネル工事の掘削マシンも海上輸送されます。セメント工場からサービス・ステーションと呼ばれる流通基地までの輸送には、ばら積みのセメント専用船が使われます。新幹線の車両も内航貨物船で運びます。
 私は今回内航海運について調べました。私は名前は聞いた事があるけれどどういうのかは知らなかったのでおもしろさがありました。でも、調べてみると知らない事が知れて嬉しかったです。内航海運は環境にいいみたいなのでこういうのが広まったらいいなと思いました。

 

作文一覧に戻る

2018年12月01日